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かくれ脱水JOURNAL

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    川崎市の保育園での先進的な試み!園児を対象としたノロウイルス感染症対策講座を開催



    2014年11月28日(金)、川崎市にある保育園「社会福祉法人伸こう福祉会 キディ百合丘・川崎」において、初めての試みが催されました。これは、教えて! 「かくれ脱水」委員会と同保育園の協力により、ノロウイルスなどの感染性胃腸炎の流行する季節を前に、子どもたちの指導をする先生方とともに、実際に子どもたちにも、ノロウイルスによる感染性胃腸炎のリスクやその対処法を知ってもらおうというもの。講師に委員会から済生会横浜市東部病院の十河剛委員が参加し、3〜5歳の園児25名程度を対象に開催しました。

    ‥‥少しこの日の様子をご紹介しましょう。

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    興味津々といった様子で目を輝かせて待っていた園児たち。十河委員が登場すると、弾んだ声で

    「こんにちは!」

    挨拶を交わします。講座をフォローして下さる保育士の先生から「十河先生はお腹の病気にとても詳しい先生です」との紹介があり、十河委員が「今日は横浜から来ました!」と挨拶すると、

    「知っているよ!」「行ったことある!」の声・声・声。

    「字が読める人!」との問いかけには半数ほどが「ハイッ!」と手を挙げ、続いて「今日は、ノロウイルスのお話をします。知っている人?」と聞くと、

    「知ってるよ!
    「じゃあ、知らない人!?」「ハーーイ」

    今度は、まばらに手を挙げる子どもたち。どうやら、ノロウイルスについての知識があるようです。


    おう吐や下痢はどうしておきるの?

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    この日、十河委員は特別に造った紙芝居風の小道具を持参。子どもたちを相手に、この道具を駆使して開始です。

    最初は、ノロウイルスがカラダに入ると、カラダが「どうしようかな?」と、免疫力を発揮してノロウイルスをカラダの外へ出そうとする作用、おう吐や下痢が起こるカラダの仕組みを説明。

    おう吐や下痢、カラダのしくみはどうなっているのかな? をわかりやすく話します。

    説明が終わり、十河委員の「分かった人!」との問いかけに、
    元気な「ハーイ!」
    との声が答えます。意外と手応えあり‥です。


    おう吐や下痢をしたときは?

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    十河委員が「じゃあ、ゲロッとおう吐したり、下痢のウンチが出たときにどうしようか‥‥?」と、経口補水液を取り出し、これ「知っている?」と問いかけると、

    「知ってるー」の大合唱。なかには「OS-1!」と商品名をいう声も。実際に、これほど知識があるとは驚きです。

    今度は実体験。十河委員は、保育士の先生のフォローを受けて、子どもたち全員に実際に経口補水液を試飲してもらいます。

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    これは、その味に「しょっぱさ」があること感じてもらうため。十河委員は、こうした体感をもとに汗など人間の体液についての成分を説明します。少し難しいと思われることも、動くイラストを駆使し、子どもたちと一緒になって楽しみながらの説明です。

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    そして、おう吐や下痢にも水分と塩分が含まれていて、ノロウイルスと一緒に体液も大量に排出されていることをお話し、「だから、経口補水液にはお水とお塩が入っているんだよ」と説明を終えると、

    「スゲ〜!」という合唱が、、、。


    おう吐の処理はどうするの?

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    いよいよ十河委員の講座は佳境です。「では、誰かがノロウイルスに罹ったときに、みんなどうしようか?」と、今度は実際にイラストや、ウイルスを表した毛玉などを使って、おう吐とその床からの広がりを表現して話します。

    「さあ、どうしよう?」
    子どもたちが「先生を呼ぶ!」

     

    ノロウイルスの処置の対策として、エプロン、手袋、足袋をはめた保育士の先生登場。床のおう吐物の周囲にも広く飛び散った毛玉を例に、床の見えないところも消毒することを実践してもらいました。

    ノロウイルスの処置の対策として、エプロン、手袋、足袋をはめた保育士の先生登場。床のおう吐物の周囲にも広く飛び散った毛玉を例に、床の見えないところも消毒することを実践してもらいました。

    十河委員は、先生のおう吐物処理のデモンストレーションの要旨を解説しながら、「窓を開けて換気することも忘れないでね」「掃除のときは膝をつかない」「おう吐物をビニール袋にいれて処理する」「最後に、先生のはめていた手袋やエプロン、足袋などをビニール袋に入れて、、、」など、忘れがちな確認ポイントも指摘していきます。もちろん、会場は大騒ぎとなったのですが、「分かった」と子どもたちに問うと「はーい」の大合唱が答えました。


    ノロウイルスに罹らないためには?

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    最後に、十河委員は、「みんながノロウイルスに罹らないためにどうするか?」という問いかけから、手を洗うことの大切さを伝え、石けんを使い、手のひら、手の甲、指の間や爪のなかなど、その洗い方も説明。「手を洗った後、服で拭いたり、お友達とのハンカチの貸し借りは止めようね」など、普段子どもたちが行いそうなことへの、小さな注意もありました。

    開場を提供してくださり、保育士の方々とともに、園児たちの反応を見ていた曽我部直子園長は、「園として初めての取り組みだったのですが、先生が紙芝居などを駆使して楽しく、わかりやすく話してくださったので、子供たちも興味をもって参加することができたようです。また、当園のように、クラスごとの仕切り壁がないオープンフロア型の部屋の場合でも感染拡大を最小限に抑えるにはどうするべきかなど、私たち職員にも役立つ情報を得ることができました」。と話して下さいました。

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    講座が終わり、子どもたちの、大きな「ありがとうございました!」の大合唱とともに、手作りの折り紙で造ったお花をプレゼントされた十河委員。ちょっと感激の面持ちでこの日の手応えを話します。

    「園児のみんなが集中力をもってしっかり話を聞いてくれたのがよかった。目に見えないノロウイルスというのがどんなもので、感染したらどうすればよいのかを、子供たちなりにイメージし、理解できたのではないでしょうか。渡された経口補水液を手にしながら、〈今日の話をお母さんにも教えてあげるんだ〉という子もいて印象的でした。今後、こうした講座をショッピングセンターなどでも親子向けに実施できると良いと思いますね」。

    これで、この日のご報告は終わりです。とにかく園児たちには集中力があることに驚いた一日であり、子どもたち個々が、その保護者たちとともに、ノロウイルスに対処していく力を持っていることを教えられた30分でした。

    十河剛先生

    十河剛(そごう・つよし)
    済生会横浜市東部病院
    小児肝臓消化器科 副部長 医学博士

    1970年 東京生まれ。1995年 防衛医科大学校医学科卒。段躰道七段教士。合気道二段剣道二段。日本小児科学会認定小児科専門医。日本肝臓学会認定肝臓専門医。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医・指導医。自宅敷地内に道場建設し、Sogo Budo Academy International設立。現在、子供達や学生達への指導を続けている。