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かくれ脱水コラム

コラム
更新日:1年前
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高齢者の熱中症対策は早めの脱水対処と部屋の遮熱処理

高齢者の熱中症対策は早めの脱水対処と部屋の遮熱処理

加齢とともに体液が減少し、水分や塩分の摂取に重要な食事量も低下しがちな高齢者は、発汗による体温調節機構が十分機能せず、脱水症を起こしやすくなっています。日常生活の中で、自分や家族でできる幾つかのことを実践しましょう。

早めの脱水への対処と、高齢者が脱水症を起こしやすい環境をできるだけ改善すること。それだけで、熱中症を予防するだけでなく、大きなケガを未然に防いだり、寝たきりの要介護状態になることを防いだりすることにもつながります。

いつまでも元気でいるために。できることを、いま。

秋山正子

株式会社 ケアーズ 代表取締役
白十字訪問看護ステーション
統括所長 「暮らしの保健室」室長
秋山正子(あきやま・まさこ)

東京都新宿区を中心に訪問看護、居宅介護支援、訪問介護事業を展開。2011年7月65歳以上が46%を占める新宿区内の「戸山ハイツ(約5800人在住)」の空き店舗に開設した「暮らしの保健室」では「学校の保健室のように、気軽に立ち寄れる空間」で“相談する主体性”を見守り、寄り添う活動を続けている。「NPO法人白十字在宅ボランティアの会」理事長、「30年後の医療の姿を考える会」会長、厚生労働省「チーム医療の推進に関する検討会」委員、新宿区介護サービス事業者協議会副会長、地域看護業務連絡会委員ほか。著書に、『在宅ケアの不思議な力』(医学書院)、『在宅ケアのつながる力』(医学書院)、『家で死ぬこと、考えたことありますか?』(保健同人社)ほか

高齢者の熱中症対策 3つのポイント

高齢者の熱中症対策:ポイント①

食事が細くなっていることを自覚しましょう
食事が細くなっていることを自覚しましょう

秋山委員は「暮らしの保健室」にやってくる方々を観察していると、エアコンを入れるのをガマンしない、水分はちゃんと摂っている、など、夏の脱水対策をしている人でも、痩せが目立つといいます。元気なようで、少しずつ食事の量が減っているのです。そんな人に、かくれ脱水チェックシート*をやってもらうと、脱水状態であることが多いそうです。

かくれ脱水チェックシート
かくれ脱水チェックシート
かくれ脱水チェックシート

カラダの水分の貯蔵庫である筋肉量が減少している高齢者は、脱水症の軽い症状が現れ少しフラッとしたりするだけで、つまずいて転んだりするリスクがあります。運が悪ければ骨折や頭部を強打し、病院に搬送されることさえあります。高齢者である以上、珍しいことではありません。そしてこれが、サルコペニア(=加齢による筋肉の減少を認めて、自分の身体力低下を認めること)につながり、そのまま寝たきりの要介護状態へのきっかけとなってしまう。実際、転んで救急搬送された高齢者の多くが、血液検査をすると「電解質異常」つまり脱水状態であったこともわかっています。

夏の間、ときおりかくれ脱水チェックシートでチェックし、面倒なら自分の手の甲をつまんで引っ張り、「富士山」**ができずに、すぐに戻るかどうかを確認してください。すでに脱水状態であるのではと感じたら、自分で食事が減っていることを自覚し、早めに経口補水液を適量摂ること。飲み方は、よく市販されている500mlのボトル1本を短い時間で飲み切ることは難しいので、ゆっくり300mlを30分程度で。脱水状態がその初期段階に於いて改善すれば、本来の食欲が戻り、食事からの水分や電解質の自然な摂取がおこなわれます。脱水の一歩目の処理を間違うことで要介護になるか、元気な日々を送れるかの分水嶺になることがあることも、覚えておきましょう。

*かくれ脱水チェックシート http://www.kakuredassui.jp/check
**高齢者の熱中症予防は、かくれ脱水対策から/「富士山」が手の甲にできたら要注意。高齢者にはゼリータイプの経口補水液を。http://www.kakuredassui.jp/step1

高齢者の熱中症対策:ポイント②

経口補水液(ペットボトル・ゼリー)を上手に使いましょう
新宿区にある暮らしの保健室で経口補水液を飲む男性
新宿区にある暮らしの保健室で
経口補水液を飲む男性

夜中に脚がつるのは脱水がかなり進んでいる症状です。脱水の症状ですから、急いで経口補水液を摂りましょう。夏なのに、肌にかゆみを感じるときも同様。経口補水液を摂ると、かゆみが止まることが多いようです。肌の潤いがなくなっているのですから、脱水を疑っていいわけです。

夏に肌のかゆみを感じたり、脚がつったりするような高齢者は、嚥下機能が少し低下していることも多く、液体だとむせやすくなっていますから、経口補水液のゼリータイプを試してください。
200gのゼリーを少しずつ。ゼリーは胃にもやさしく、経口補水液は吸収が早いですから、脱水の症状が一段落するころには、飲みなれたお茶などの水分も飲みやすくなります。

安心できる生活のためのポイントは、こうした症状が出やすい夜に慌てないために、夏の間、枕元に経口補水液を置いておくこと。ゼリータイプは、ウイルス性の胃腸炎などで下痢やおう吐をしたときにもお勧めします。胃にやさしく、吸収が早いために、カラダが落ち着いた後の食欲の回復も早いようです。

高齢者の熱中症対策:ポイント③

自宅でも遮熱フィルムを活用してみましょう
遮熱フィルムは専門業者に依頼すると、よりきれいに仕上がる。(画像提供:スリーエム ジャパン株式会社  参照:http://www.mmm.co.jp/cmd/scotchtint/consumer/effect/suncontrol.html)
遮熱フィルムは専門業者に依頼すると、よりきれいに仕上がる。(画像提供:スリーエム ジャパン株式会社 参照:http://www.mmm.co.jp/cmd/scotchtint/consumer/effect/suncontrol.html

いつも寝ているベッドに西日が当たらないように移動したり、部屋に面したベランダに日よけの葦簀や簾を利用したりすることは、部屋の中での脱水を予防するために有用な対策です。ただ、高齢者の一人暮らしなどでは、ベッドの移動に人出がありませんし、長年馴染んでいる部屋の模様替えは難しいものです。葦簀や簾も、適切なベランダや格子がない窓には難しいかもしれません。

熱中症・脱水症の対策として大切なことは、温度と湿度はもちろん、部屋の中にいる人のカラダに感じる熱の管理が必要です。

最近、増えてきた遮熱フィルムは、窓から入る熱線をカットして、室内の温度上昇を抑制しつつ、エアコンの効率も向上させるといわれています。ベランダや格子がなくとも活用できますし、部屋の模様替えやベッドの移動の必要がなく、一度貼っておけば効果が続きますから、アパートやマンションで、ひとりで部屋にいることの多い高齢者にとって、現実的な熱中症予防法のひとつです。

普段暮らしのなかで、高齢者が熱中症にならないために、知っておきたい基本チェック

大切なことは、熱中症につながる脱水症を起こさない工夫です。暑い日の外出では、列車内や量販店など、エアコンが効いて外気との温度差がある環境での、体温調整のための工夫をすること。また、本文でも述べているように、食事の量が減少していることを自覚し、1日3度の規則正しい食事で、体力を保持することです。以下のチェック項目は、本当に基本的なこと。時折チェックして、カラダを熱中症から守ってください。

在宅や外出時にできること

□なるべく暑さを避ける服装になる
□首に巻くスカーフなど、体温調整をする工夫
□扇風機などを使い、部屋の空気を入れかえる
□我慢してクーラーを止めるなど、無理な節電をしない
□温度計をみて、高温多湿を避ける
□エアコンの環境では濡れタオルを掛ける。観葉植物の水やりなど
□規則正しい栄養バランスと量を考えた食事

在宅や外出時にできること

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