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かくれ脱水コラム

コラム
更新日:2017/5/15
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お母さんたちの質問状 冬のウイルス感染からくる下痢・おう吐による脱水の「対処法5カ条」

乳幼児のカラダはまだ水分調節機能が未発達で、脱水を起こしやすい弱者です。 とくに冬場は、ウイルス感染からくる下痢・おう吐(ウイルス性の感染性胃腸炎) による脱水が心配です。こうした感染性胃腸炎による脱水が起きたときの 対処と予防はどのように行えばいいのか。 現在子育て中の現役ママ4人の疑問に、 教えて!「かくれ脱水委員会」の十河剛委員が答えました。さらにその 座談会をもとにして、かくれ脱水JOURNALでは、 感染性胃腸炎による脱水の対処と予防に関する5か条をまとめました。

※本コラムは2013年掲載のものです。出席して頂いたお母さんたち

  • Kさん(息子4歳、1歳))
  • Uさん(娘3歳)
  • Yさん(息子4歳、3か月)
  • Mさん(息子3歳、娘1歳)
冬のウイルス感染からくる下痢・おう吐による脱水

【対処法5か条】

  1. 経口補水液を早めに利用する
  2. おう吐物などを適切に処理する
  3. 手洗いを正しく行う
  4. タオルを共有しない
  5. 換気を十分に行う

新型ノロウイルスにも慌てない。
ウイルス感染からくる下痢・おう吐による
脱水対策は経口補水液で!

十河 冬場は感染性胃腸炎による脱水が生じやすくなります。とくに乳幼児は感染性胃腸炎による脱水を引き起こしやすいものですが、お子さんが実際に脱水を起こしたときの状況を教えてください。

Yさん 感染性胃腸炎はいま4歳の息子が2歳になるまで毎年のようにかかりました。いちばんひどかったのは7か月のとき。2日後に私、その2日後には夫も発症して一家全員がかかりました。私自身体調が悪いなか、脱水しないように母乳を与えるのが大変でした。下痢がひどくて熱があったので病院へ行ったら、整腸剤を処方されて「しっかり授乳してください。母乳を飲まなかったら経口補水液をあげてください」と指導されました。

十河 インフルエンザ以外は胃腸炎を起こしているウイルス自体に作用する薬剤はないので、対症療法が主体となります。母乳が飲めるときはそれでも良いのですが、ロタウイルスやノロウイルスなど、ウイルス感染によって起こる感染性胃腸炎の対処は経口補水液を与える経口補水療法が主役です。下痢とおう吐で失う水分を補ってやるのです。体内の水分(体液)には上がった体温を下げるラジエーターのような働きがあります。脱水で水分を失うとこの機能が低下し、末梢の血管がきゅっと絞まり、熱が体内にこもりやすくなります。お母さん方は発熱を心配なさいますが、経口補水液で失った水分・電解質を補って脱水を改善してあげるだけで、熱が下がることもあります。病院で処方された下痢止めや整腸剤を使っても、それだけ早く治るというエビデンス(効果を示す科学的根拠)はありません。下痢やおう吐は有害なウイルスを排泄しようという防御反応なので、それを邪魔するのはマイナス。とくに下痢止めで腸の動きを止めると、お腹がポンポンに張ってきたり、腸がつまる腸閉塞のような症状を起こすこともあります。下痢やおう吐のピークは1日から2日。その間に経口補水液で補水し、脱水への対処がきちんとできていれば、薬を使う必要はないのです。

Yさん なぜミネラルウォーターのような真水ではいけないのでしょうか。

十河 真水ではなく経口補水液が有効な理由は大きく2つあります。下痢・おう吐で失う水分には、ナトリウムやカリウムといった電解質が含まれています。真水では電解質が補えないため、真水を飲むと体内の塩分(ナトリウム)が薄まり、塩分の濃度を保つためにカラダはさらに水を外へ出そうとしますから、余計に脱水が進みます。ですから、電解質を含んだ経口補水液が有効なのです。さらに胃腸炎になると腸の粘膜がウイルスなどで破壊されて、腸内の水分を吸収する仕組みが働きにくくなります。経口補水液には電解質以外にも糖分が含まれており、この糖分とナトリウムの働きで水分が体内に吸収されやすくなります。

感染を広げないために、家庭ですぐに活用できる対処法

Kさん うちも4歳の息子が8か月のときに感染性胃腸炎にかかりました。ダブルベッドで親子一緒に寝ていたら、枕元におう吐していて。その後下痢も始まりました。翌日私も発症してダウンしてしまい、義理の姉に応援に来てもらったら、姉までダウンしました。

十河 ロタもノロも感染力が強いので、感染を広げない対処法も知っておきましょう。おう吐物がついた服やタオルなどはビニール袋に入れて密閉します。数日から1週間ほど放置するとウイルスが減ります。そして天気の良い日に、まとめて洗濯し、大量の水でおう吐物を洗い流してから、天日に干して日光消毒してあげるのが良いと思います。床に吐いた場合、塩素系漂白剤を1%ほどの濃度に薄めて、それを浸したタオルでそこをしばらく覆います。数十分置くとウイルスが死にますから、その後で処置をします。これらの作業をするときはマスクや手袋を付けるのがベストです。また、乾燥したウイルスが舞い上がり、それを吸込むことで感染することもありますので、処理をするときは換気を十分に。冬場は窓を閉め切りがちですが、5分ほど窓を開けると部屋全体の空気を入れ替えることができます。

Kさん 下痢のときのオムツの処理はどうしたら良いのでしょうか?

十河 オムツにはウイルスがたくさんいるので、念のためにビニール袋に密閉してゴミ箱に捨ててください。処理を終えたら、手をよく洗ってください。お母さん方は「赤ちゃんのウンチは汚くないから」と素手で触ったりしますが、感染性胃腸炎のときにはウンチにウイルスがいっぱいいますから、できれば、使い捨てのビニール手袋をして、素手で触らないようにしてください。手を洗うときは、石けんをよく泡立てて、指の間、爪、指の腹などを万遍なく30秒ほど洗い、手の脂と一緒に物理的にウイルスを洗い落とします。アルコールや殺菌成分が入っている洗浄剤でも、油断しないで同じやり方で入念に手を洗ってください。盲点になりがちなのが、手洗いのあとに使うタオル。タオルを共有していると万一ウイルスが残っているときに家族間で感染が広がりやすいので、タオルの共有をやめるか、使い捨てのタオルを使うようにしましょう。

ナトリウムやカリウムをしっかり補える経口補水液

Uさん 私のところには4歳になる娘がいます。1歳2か月になった2月、突然夜中に激しく泣き出して、朝まで下痢とおう吐が続きました。翌朝急いで病院へ駆け込んだら「感染性胃腸炎ですね」と診断されました。「しっかり休ませて、水分を十分摂らせてください」と医師に言われたのですが、母乳もミルクもお水も白湯も、少し飲んでも吐き出すか、下痢で出てしまう状態。ご飯も食べないので、朝晩つきっきりで水分を飲ませ続け、2日後にようやく症状が収まりました。1歳までほとんど風邪も引かない子供だったので、「大丈夫だろう」という気の弛みがあり、突然の発症で気が動転したのを覚えています。経口補水液を子供が飲んでくれないときはどうすればいいのですか?

十河 丸2日もつきっきりとは大変でしたね。経口補水液はその子の状況に応じた飲ませ方があると思います。激しくおう吐しているときに経口補水液をコップに入れて渡すと、どうしても一気飲みをしがちです。でも、一気に飲むとお腹に溜まってすぐに吐いてしまいます。激しくおう吐している最中は、スポイトやスプーンで1回5ccほどを1分から5分置きに飲ませてください。口の手前に経口補水液を入れるとペッと吐いてしまいますが、歯茎に沿って口の奥に入れてあげると吐き出さずに飲んでくれます。

Uさん 経口補水液はどんな温度で与えたら良いのでしょうか?

十河 暑い季節の発汗による脱水からの回復には、冷えた経口補水液を飲んでカラダを内側からクールダウンすることも大切です。でも、感染性胃腸炎で下痢をしているときに、冷たい経口補水液を飲むと下痢が助長される恐れがあります。温めすぎると飲めない子供が多いようですが、電子レンジで軽くぬるい程度に温めたものならお腹にも優しく、美味しく飲めると思います。スプーンで少しずつ与えられるゼリータイプもいいですね。

Uさん 夏場の脱水と冬場の脱水で、対処法は変わるのでしょうか?

十河 季節を問わず脱水では水分が失われますが、夏と冬では水分とともに失われる電解質の中身が違います。発汗によって脱水が起こるケースが多い夏場は、発汗に伴ってナトリウムが大量に失われます。ウイルス感染からくる下痢・おう吐による脱水では、発汗時と比べるとナトリウムに加えてカリウムもたくさん失われます。ですから、ナトリウムに加えてカリウムがバランス良く配合されている経口補水液が特に有効なのです。

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