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かくれ脱水コラム

コラム
更新日:2016/4/1
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冬の脱水も、大量の発汗から!これが家庭で出来るインフルエンザ対処法

かくれ脱水ジャーナルでは、教えて!「かくれ脱水」委員会の委員と相談し、これからインフルエンザウイルスに感染しないために出来ることと、いざ感染したときに重症にならないために出来ることを分かりやすくまとめました。インフルエンザは流行するタイプによって、発熱・鼻水・関節痛などの全身症状や、下痢などのお腹の症状をともなうものがありますが、基本は予防と罹ったときに重篤化を防ぐための脱水対策。インフルエンザに負けない冬のための緊急特集、必見です。

予防のキーワードは、ワクチン、手洗い、高温多湿

  • ◎外出から帰ったときに手洗いとうがいの徹底
  • ◎高温多湿:室内の温度を22°C以上に暖かく、湿度40%以上に
  • ◎ワクチン接種:リスクを下げる意味で有用

家庭でのインフルエンザ対策キーワード

  • ◎流行時、発熱を感じる場合は、まず医療機関へ
  • ◎症状のある間の脱水対策が重要
  • ◎発熱による発汗は、大量の水分と塩分(電解質)を失う。経口補水液などで補給
  • ◎ノドの渇きを気づかない発汗。水だけを摂ると危険
  • ◎小児と高齢者は、早めに経口補水液で補給を
インフルエンザ予防は、手洗いの徹底と湿度管理。ワクチン摂取は、リスク減少のためだと考えましょう。

教えて!「かくれ脱水」委員会の服部益治委員長によると、2014年に流行ったインフルエンザウイルスはA香港型で、感染して発症するまでが1〜2日。関節痛やカラダのだるさなどが初期症状で、その症状は38°C〜40°C程度の高熱や、激しい咳でした。

インフルエンザウイルス対策には、ワクチン接種があります。毎年、何種類もあるインフルエンザウイルスを予測し、効果があると思われるワクチンが提供されています。ワクチンは必ず効果があるというものではありませんが、リスクを減少させるために接種していた方がいいでしょう。

家庭で出来ることとしては、手洗い(手順イラスト参照)が何より大切です。外出後やトイレの後はもちろん、食事の前などにも正しい手洗いを。石けんを使い、流水で、手のひら、手の甲、指の間、爪のなか、手首の周りなどまで丁寧に洗いましょう。手洗い後のアルコール消毒もインフルエンザには有効です。小児のいる家庭では、小児とふれあう前に手を洗ってください。うがいや、普段からの食事や睡眠の管理、カラダが重いと思うときは出歩かないなどの主観的な判断もインフルエンザのリスクを減少してくれます。

石鹸をつけ手のひらをよくこする

手の甲を伸ばすようにこする

指先・ツメのあいだを念入りにこする

指の間を洗う

親指と手のひらをねじり洗いする

手首も忘れずに洗う

その後、十分に水で流し、清潔なタオルでよくふきとって乾かす

また、流行している時期の、室内温度やとくに湿度のコントロールを覚えておくことが大切です。インフルエンザウイルスの活動が鈍くなるのは、室内の温度が22°C以上の暖かさに保たれ、湿度40〜50%程度の環境であることがわかっています。加湿器などを用い、ウイルスが活性化する乾燥環境を改善することをお勧めします。マスクは実はそれほどインフルエンザウイルスから感染を防ぐものではありませんが、口内をウイルスの活動を促す乾燥から守り、適度な湿度を保つには適しています。

発熱による発汗は、大量の体液を喪失する脱水。家庭での脱水対策が重症化を防ぎます。

インフルエンザウイルスに感染したとき、かかりつけの医者に診てもらうことに加えて、インフルエンザを長引かせたりしないために、家庭でも出来ることがあります。インフルエンザの特徴である発熱は大量の発汗を伴うことがあり、発汗は脱水につながります。これを軽微なものと考えずに、汗を感じたら水分と適度な塩分などの電解質を補給して対処することです。

インフルエンザウイルスに感染すると38°C〜40°C程度の高熱が出ますが、40°C近い高熱になると人によっては1日に3ℓ程度まで汗をかくといわれています。汗には水分とともに電解質も多く含まれていますから、大量の発汗による脱水を放置すると、カラダの機能の維持に必要な体液の減少につながり、インフルエンザによる症状を悪化させたり、回復を遅らせたりするリスクがあるのです。

また、大量の発汗がある場合でも、人はノドの渇きをそれほど危急に感じません。意識的に水分を摂ることが少ないし、なんとなく水分だけ摂って塩分などの電解質を摂らない人も多いようです。水だけを摂ると、カラダは薄くなった塩分濃度を調整しようと水分を排泄し、実は脱水を進行させることになります。大量の汗によって失った水分や電解質を、すみやかに充分量補う必要があります。とくにカラダが未成熟で脱水しやすい子どもと、カラダの水分量や食事量が減少している高齢者は、インフルエンザウイルスに感染したときは十分に気づかい、こま目な水分と塩分の補給を意識してください。
インフルエンザウイルスに感染したら早めの正しい脱水対策を。脱水状態の場合は、水分と電解質を的確に含む経口補水液を摂ることも選択肢として持っておきましょう。

ぜひご確認ください。
「上手に使おう経口補水液」
http://www.kakuredassui.jp/care4
「冬脱水の対策・小児の冬脱水対策は、素早く、補水です」
http://www.kakuredassui.jp/virus4

高齢者の方はとくに注意。
インフルエンザの先にあるリスクについて

高瀬クリニック院長
髙瀬義昌

日頃、高齢者の臨床現場にいる私から、インフルエンザウイルスの先にあるリスクについてお話しします。

高齢者の場合ですが、インフルエンザウイルスに感染した際に、二次感染にも気をつけて欲しいと思います。最近は、肺炎になるケースが増えています。肺炎は、インフルエンザをこじらせて弱ったカラダに、肺炎球菌などが感染して発病するのですが、死に至ることもある病気です。早めの処置をすれば治る病気ですし、インフルエンザワクチンに加えて、5年おきに肺炎球菌のワクチンも打つことをお勧めします。

また、おもに夜間に幻視を起こしたり、不安や恐怖感、無感動などの症状をおこすことを「せん妄」といいます。せん妄の原因は別表(*1)のようにさまざまですが、実際には感染症・脱水・便秘・薬剤(多剤併用など)が多いといわれています。つまりインフルエンザからの脱水症も要因のひとつ。脱水で体内の水分と塩分などの電解質が不足したり、発熱による発汗のときにはあまりノドの乾きを感じないために水分だけを摂って電解質濃度が薄くなったりすると、脳の機能にも影響が及びせん妄が起こりやすくなるのです。

せん妄を起こすと水分補給を適切におこないにくくなるため、さらにせん妄が悪化するという「負のスパイラル」に陥り、せん妄も脱水状態も急速に深刻化します。ことに高齢者で認知機能が低下していると、せん妄を繰り返すことで認知機能がさらに下がり、認知症症状が急激に悪化する恐れもあります。
在宅医療では、とくにリスクの高いと思われる人には経口補水療法を勧めています。せん妄の始まりで重症化にブレーキをかけるのが重要だと思っているからです。

*1せん妄の主な要因

  • 感染症(尿路感染症など)
  • 複数の身体的疾患
  • 便秘
  • 脱水症/栄養失調症
  • 激しい痛み
  • 薬の服用(市販薬を含む)
  • 過度の飲酒
  • 急な禁酒、または薬(特に睡眠薬)の服用の中止

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