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「かくれ脱水」の発見法

かくれ脱水
更新日:2016/4/1
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知っていましたか? 高齢者の脱水は、実は在宅時も多い

知っていましたか? 高齢者の脱水は、実は在宅時も多い

高齢者の脱水症は在宅時にも起こりやすい症状です。 在宅時の脱水症を早期発見し予防するために3つのステップで 正しく脱水症を確認してください。

ステップ1 「かくれ脱水」のリスク保有の有無(健康な時に評価)

まず始めに、できるだけ健康状態の良いときにステップ1で「かくれ脱水」のリスク保有者かどうかを調べて下さい。ステップ1のリストAとリストBで各項目1つ以上チェック項目があれば、「かくれ脱水」のリスク保有者です。保有者にリストCに示すようなエピソードがあったら、ステップ2のスクリーニングを実施して下さい。

【リストA】脱水症になりやすい身体的ファクター(内的要因)

  • 65歳以上である
  • 高血圧、糖尿病、心臓あるいは腎臓の持病がある、利尿薬を内服している
  • ここ1年間で脱水症あるいは熱中症になったことがある
  • 栄養不良(アルブミン 3.5g/dl 以下)
  • 肥満(BMI 25 kg/㎡以上)

*高齢者は脱水症になりやすいという特徴があります。高血圧や糖尿病、心臓あるいは腎臓の持病があると、腎臓の機能が低下して水分と電解質の再吸収が滞り、水分と電解質が失われて脱水症を起こしやすくなります。
*アルブミンとは、単純タンパク質の一種で、血液の浸透圧調整や体外物質の保持・運搬機能を担っています。
*BMI(体格指数)とは、体重(kg)をメートル換算した身長(m)で2回割ったもの。
75kgで170cmなら、BMI=75÷1.7÷1.7≒26と計算します。日本肥満学会ではBMI25以上を「肥満」としています。

【リストB】脱水症になりやすい環境的ファクター(外的要因)

  • 節電を強いられている
  • 一人暮らしである
  • 気密性の高い住宅(マンションなど)に住んでいる
  • いちばん上の階で生活している

*集合住宅のような機密性の高い住居では、風通しも悪く、一度こもった熱がぬけにくいという特徴があります。太陽光で昼間にコンクリートにこもった熱が、夜間に室内に放熱され、思わぬ時間に室温が上昇することもあります。特に、いちばん上の階は太陽熱を受けやすいので昼も夜も注意が必要です。最近は断熱材を用いた住宅の開発が進み、外からの熱が室内に伝わらないような工夫が施されるようになっています。

【リストC】脱水症につながりやすい出来事(エピソード)

  • 熱帯夜や真夏日などで暑い日が続く
  • 大量の汗をかく
  • 下痢や嘔吐を繰り返している
  • 風邪をひく
  • 手術をした。事故などでケガを負った
  • 精神的なダメージを受けた
  • 引っ越しや近親者との死別などで生活環境が変わった

*病気やケガなどは多かれ少なかれ脱水症を伴うケースが大半です。また精神的なダメージや生活環境の変化はストレスになり、ストレスから食事量や水分摂取量が減ると水分と電解質の不足から脱水症のリスクが高くなります。

ステップ2 ほんとうに脱水症かどうかの選別(スクリーニング)

ステップ1の高リスク者に脱水症につながりやすいエピソードが起きたら、脱水症が発生している可能性が高くなります。そこで脱水症の発生を確かめるために以下のような症状がないかチェックします。このチェックリストにひとつでも当てはまる場合には、脱水症が疑われる「陽性」と考えられます。

  • 食欲が低下した
  • 頭痛や筋肉痛などカラダのどこかが痛い
  • 元気がない、居眠りしがちである
  • 多弁あるいは無口になった
  • 尿、ヨダレ、痰の量が減った
  • 便秘になった
  • 微熱が続く
  • 指先が冷たい、青白い
  • 脇の下が乾いている
  • 口のなかが乾いている
  • 舌の表面に光感がない
  • 暑いのに汗をかかない
  • 最近、体重が減少した

*頭痛や筋肉痛などは電解質が失われたことによるもの。元気がない、居眠りしがち、多弁あるいは無口になったりするのは、水分不足から脳の血流がダウンした結果と考えられます。
食欲の低下は消化器、手足が冷たいのは皮膚のそれぞれ血流の低下を物語っています。

ステップ3 脱水症の診断

ステップ2のスクリーニングで1項目でも陽性なら、脱水症を発症した可能性が高くなります。この時点で経口補水療法を開始することが理想的ですが、同時に介護者または医療機関においてステップ3の確認も進めて下さい。

  • 脈拍数が120回/分以上である
  • 体温が37度以上である
  • 爪を押したあと、色が白色からピンク色に戻るまで3秒以上かかる。
  • 皮膚に張りがない
  • 部分的あるいは全身的なけいれんがある
  • 意識レベルが低下している
  • 体重減少が3%以上

*爪を押してみるとのは「毛細血管再充満時間(CRT)」のチェック。脱水症から血流が不足すると、脳や心臓などの重要な臓器に血液が優先的にまわり、皮膚の血流が減ります。爪を押して血流を制限した後、血流が戻ってピンク色になるまで3秒以上かかる場合、皮膚の血流の減少から脱水症を疑います。

ステップ4 脱水症の確定診断

さらに脱水症の確信を得るために、専門の施設で調べます。
採血と採尿

【脱水症を確信する所見】

  • 尿比重増加
  • 血液濃縮(Hct,alb,Hb,浸透圧・・・)
  • 低血圧

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