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「かくれ脱水」の対策

かくれ脱水
更新日:2016/4/1
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高齢者の熱中症予防は、「かくれ脱水」対策から

高齢者の熱中症予防は、「かくれ脱水」対策から

もともと体液が減少し、水分や塩分の摂取に重要な食事量も 低下しがちな高齢者は、発汗による体温調節機構が十分機能せず、 脱水症を起こしやすくなっています。 脱水症の症状が出る前、「かくれ脱水」の段階を早めに気づき、 対策をとっていくことが、高齢者が夏はもちろん 気温が高い季節を元気に過ごすための基本です。

高齢者が、「かくれ脱水」にならないためにできること。

高齢者が「かくれ脱水」段階で脱水症を予防していくために、日常生活で心がけることを知っておきましょう。大切なことは、高齢者が脱水症を起こしやすい環境をできるだけ改善すること。外出のときに夏の列車内や量販店など、外気との温度差のある環境での体温調整の工夫をすること。そして、食事などで防衛体力をできるだけ保持することなどがあります。

在宅や外出時にできること

  • なるべく暑さを避ける服装になる
  • 首に巻くスカーフなど、体温調整をする工夫
  • 扇風機などを使い、部屋の空気を入れかえる
  • 我慢してクーラーを止めるなど、無理な節電をしない
  • 温度計をみて、高温多湿を避ける
  • エアコンの環境では濡れタオルを掛ける。観葉植物の水やりなど
  • 規則正しい栄養バランスと量を考えた食事

夏の目安は、「べた」「だる」「ふら」「いた」。ぜひ覚えておきましょう。

熱中症を防ぐために脱水に関する啓発を進めている、教えて!「かくれ脱水」委員会の服部委員長が作った、夏の脱水症状サイン。高齢者においても普段の生活の中で、経口補水液を摂るための早期対応の目安となります。高齢者を見守る手引きとして参考にして下さい。

「べた」は、首筋などがべたべたしてくること

夏の蒸し暑さなどのいやな感じで、汗はかいていないように見えるが、なんとなく皮膚がべたべたした感じになること。実際に首筋などを触ると少しべたべたしている状態です。こまめに水分補給と適度な塩分を摂ることをお勧めします。

「だる」は、元気がなく見えること

なんとなく見た感じで元気がない。食欲が減退していると感じられるとき。口渇中枢の機能が下がっている高齢者は、あまり喉が渇いたということを感じません。そのままだと脱水状態が進みますが、水分だけの飲用は低ナトリウム血症などへつながります。電解質を含む飲料である経口補水液での失った体液の補水が脱水の進行を防ぎます。

「ふら」は、めまいや立ちくらみ、少しふらふらしているように見える

熱中症のⅠ度の状態が進んでいます。嫌な汗をかき、なかなか汗がとまらなくなるときがあります。立ち上がるときにふらついたり、いつもよりふらふらしているように見える状態です。ほっておくと脳症状=血圧低下につながり、水分だけを摂ると低ナトリウム血症を引き起こす段階。経口補水療法をすぐに始めることです。

「いた」は、足がつったり、頭痛が現れている状態

熱中症ではⅡ度に分類される症状に近くなっています。自覚できる症状として、カラダのさまざまな場所にこむら返りや、とくに顔に熱っぽい状態が起こります。経口補水液をすみやかに摂取し、改善しない場合は医師の判断を仰いでください。

以下の、[脱水症の早期診断方法]も、日常生活の中でみつけやすい、さまざまな脱水状態のサインを扱ったものです。項目のうち2つ以上あてはまる場合は脱水症を疑います。

脱水症の早期診断方法

[器具を使わない診断方法]

  • 爪を押したあと、色が白色からピンク色に戻るまで3秒以上かかる
  • 手の甲をつまみあげた後が戻らない「富士山」ができる
  • 口の中が乾燥している
  • 舌が白いものに覆われている
  • 舌の赤身が強い
  • 皮膚に張りがない
  • 舌の表面に亀裂がある
  • 手足が冷たくなっている

[器具を使う診断方法]

  • 血圧が低い
  • 体重が減っている
  • 脈拍が速い
  • 微熱が続いている

より詳しく、脱水の状態を確認するためには、『高齢在宅者の脱水の見分け方』が役立ちます。ご活用下さい。

「富士山」が手の甲にできたら要注意。
高齢者にはゼリータイプの経口補水療法を。

教えて!「かくれ脱水」委員会委員 株式会社ケアーズ
白十字訪問看護ステーション「暮らしの保健室」室長 秋山正子 談

高齢者が一人暮らしになると、人のために食事を作る喜びが少なくなり、自分のために作るだけですから、何を食べたか忘れるほどに食事の楽しみが減ってきます。ただでさえ体液が減少しているのに加え、全体に食事が減って、食事から水分や栄養素が摂れない。「かくれ脱水」と低栄養が同時に起こりやすいわけです。

また、気温の変化が激しいときには、高齢のカラダがそれについていかない。高齢者は汗をあまりかかない人も多く、つい厚着になります。わたしの「暮らしの保健室」に訪ねてこられる人で厚着だな、と思う人の首筋を触ると、しっとりしていたりします。そんな人の手の甲をつまむと、いわゆる「富士山」ができて、そのまま戻りません。そういうときにはすぐに経口補水液を飲んでいただきます。

いま、高齢者の住む環境は、地球温暖化やヒートアイランド、そして節電など、非常に厳しいものになっています。高齢の方が団地やマンションにお住まいの場合も、緑に面していない、角や最上階の部屋では脱水に対する注意がとくに必要だと思います。高齢者を見守る立場の人は本当によく観察し、「かくれ脱水」のサインを見逃さないようにしましょう。座って立ち上がるときにふらついていたり、お話ししていて口が重くなったり、というのは「かくれ脱水」を疑うべきです。サインを見つけたら、持病のある方を除いて、ただちに経口補水液を飲むように勧めてください。

看護の立場から言うと、おしっこの回数がいつもより減っていると脱水が進んでいます。尿の色が濃くなっているのも水分不足。高齢者は、夜間の頻尿を気にして水分を摂られない方が多いので、そういう症状の見える方には経口補水液を勧めて欲しい。塩分と糖分がバランスよく含まれていますから、カラダへの吸収が速いし、カラダに保持され尿になることが少ないので、飲みはじめてぐっすり眠れるようになったという話も聞きます。

食べ物を飲み込む嚥下機能が衰えている人に限らず、高齢者にはリキッド(液体)タイプの経口補水液よりも、まずは徐々に口に含めるゼリータイプのものをお勧めします。ちょっとした気づきがあるときに、早め早めに経口補水液を摂取することで「かくれ脱水」から脱水症への進行を予防することができます。高齢者のいるご家庭では、できれば経口補水液を常備しておくと、より安心ですし、ご近所に経口補水液の置いてある場所(薬局など)を確認しておくことも必要かもしれません。

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