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かくれ脱水JOURNAL

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    中高生のクラブ活動における脱水リスク 指導者やリーダーにぜひ知っていただきたいこと

    クラブ活動には文化部と運動部があります。運動部は活動場所や競技服の違いはありますが、運動で身体を鍛えることが主であり、その過程で身体に負荷(無理)をかけている活動です。負荷をうまく回避し、身体を鍛え、そして競技でより良い結果が出れば、個人として将来の自信に、またチームワークで人間の交わりの素晴らしさを知り一生の友人作りに繋がります。

    一方、集団でのクラブ活動では、競技性や仲間との関係性から、自分の体力に見合った運動以上の負荷を与えがちです。能力を超える負荷は、場合により怪我をしたり、後遺症を残したり、と負の結果になります。そして、運動は発汗が常に伴いますので、身体の中の液体(体液)管理が重要です。この対策を怠りますと、脱水症に陥り、精神面において集中力低下を、体力面においてはパフォーマンス低下を来します。では、汗とは、発汗の正しい対応とは、クラブ活動における環境変化リスクをもとに考えてみましょう。 監修:教えて!「かくれ脱水」委員会 委員長 兵庫医科大学小児科学教授 医学博士 服部益治

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    中高生のクラブ活動における脱水リスク

    いま、クラブ活動環境には、多くの脱水リスクが生まれています

    クラブ活動・環境別リスクと対策「屋外」

    クラブ活動・環境別リスクと対策「屋内」

    いま、クラブ活動環境には、多くの脱水リスクが生まれています

    1. 体格・体力の個人差はライフスタイルの環境変化に顕著

    学校の学年ごと、すなわち年齢ごとに体力差があります。その個人差は、ライフスタイル上での大きな「変わり目」といえる新入学の時期に顕著です。中学1年は、少し前まで小学生であり、この体格と体力において、同じ部活動の先輩である中学3年生とは大きな差があります。また高校1年と成人並みの体格・体力の高校3年生との差も想像以上です。この体格・体力差で同じ運動量を求められますと、慣れない日々の生活から過度の緊張にある一年生(新入生)にとって、過剰な発汗が生じやすくなり、また水分補給のタイミングを逃しやすいです。

    2.環境変化に順応しないといけない季節の変わり目に注意

    人は「恒温動物」で、外界の温度変化に関係なく、ほぼ一定の体温を保たなければ体調を崩す動物です。四季がある日本では気候が変わるときに、気温および湿度に順応し、体温を一定に保つために発汗が重要な身体反応となるのです。昨今は、地球温暖化に伴い、気候変動が激しく、四季の突然な変化をよく経験します。季節の「変わり目」が徐々にではなく、急な変化が頻回に発生すると身体の順応が難しくなります。よって、知らない内に過剰な発汗が生じているのです。気温の急な上昇に加えて、湿度が高まり、これからの「梅雨」の季節は要注意です。環境の変わり目に起こりやすい脱水。これに正しく対応しなければ、心身とも乱れてしまいます。

    3.運動場所は、夏場の環境変化によって身体への負荷が違う

    やはり夏場になると、運動中の熱中症・脱水症による中高生の救急搬送のニュースを目にします。炎天下での屋外での激しい運動は、大量の発汗による体液の消耗があります。また体育館や武道場を使う室内競技でも、空気の対流や放射熱などの関係で、同じ運動量でも、暑い日には脱水リスクが増加します。「屋外・屋内でのクラブ活動のリスクと対策」を理解し、予防や対策をとって欲しいと思います。最近は暑さ指数という、環境省が毎日発表するその日の行動指針があり、それに基づいた熱中症予防のための運動指針も発表されています。指導者の方は、ぜひ参考にして練習メニューや場所に変化を持たせるといいでしょう。

    汗が口に入るとわかりますが、少し塩辛いものです。発汗で、体内から水分と共に、塩分(ナトリウム)など電解質が失われているのです。短時間の散歩ならば水やスポーツ飲料水でもよいのですが、運動部のような激しい運動における発汗では、ナトリウムをはじめとする電解質の喪失は想像以上に増加しています。この時に、ナトリウムを含まない水やナトリウム濃度が低いスポーツ飲料水で液体補給を行うと、体内のナトリウム濃度は適切な濃度まで上昇できません。必要なナトリウム濃度に改善できませんと、血圧低下、意識レベル低下など危険な状態(低ナトリウム血症)になることをありますから、注意が必要です。

    私は、運動に伴う発汗では、汗に近いナトリウムが入った液体、すなわち経口補水液の補給を勧めています。運動クラブ活動における脱水管理で、リスクを軽減しましょう。

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    更新日:2016/05/21

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