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「かくれ脱水」って何?参考文献:『すぐに役立つ経口補水療法ハンドブック』(谷口英喜著/日本医療企画)

かくれ脱水
更新日:2016/4/1
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脱水症予防が熱中症予防につながる

脱水症予防が熱中症予防につながる

熱中症は毎年多くの方の命を奪う恐ろしい病気ですが、 その熱中症の背景には脱水症が潜んでいます。 脱水症予防は熱中症を予防するうえでも大切なのです。

熱中症には脱水症が潜んでいます

高温の環境で運動や労働を行うと、熱中症が起こります。熱中症は①体液の不足で起こる障害、②体温上昇で起こる障害の総称です。
高温の環境で運動や労働を行うと体温が上がり、体温を下げるために発汗が起こります。汗は蒸発するときに気化熱を奪い、“打ち水効果”で体温を下げる働きがあるのです。しかし、発汗で体液が失われると、水分の不足から栄養素、酸素、老廃物の出し入れが滞り、電解質の不足から障害が起こります。
さらに発汗が続き、体液が失われると、カラダは体液のそれ以上の喪失にブレーキをかけるために、発汗にストップをかけます。すると発汗で体温が下げられなくなり、体温上昇で障害が起こります。
発汗による体温調節機構が維持できなくなると、カラダ中の臓器にダメージが及びます。もっとも影響を受けやすいのは脳で、脳へのダメージからけいれんや意識障害などが起こることがあります。

[熱中症の発生メカニズム]

体温上昇→発汗→体液不足(脱水症)→発汗ストップ→熱中症

熱中症の発生メカニズム

熱中症の分類方法が変わりました

熱中症は「どのくらい症状が重たいか」という重症度により、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3つに分類されます。従来は、熱けいれん、熱疲労、熱射病、熱失神の4つに分類されていましたが、重症度と相関していない部分があったため、重症度に応じた治療が行いやすいように分類が改められたのです。

[熱中症の新分類]

  1. Ⅰ度 めまいやたちくらみを自覚する/筋肉痛やこむら返り(脚がつる)がある
    拭いても拭いても汗がどんどん出てくる
  2. Ⅱ度 頭痛、悪心(吐き気)、嘔吐を認める
    つかれやだるさといった全身倦怠感を自覚する
  3. Ⅲ度 意識障害を認める/けいれんが起こる/体温が高くなる
Ⅰ度熱中症の症状

熱中症対策の基本は脱水症対策です

熱中症には、新分類に即した速やかな対処が求められます。
熱中症のおよそ60%はⅠ度。脱水が進んでいますが、体温調節機構が破綻して体温が上昇するのはⅡ度以降。Ⅱ度以降は症状が重篤なので、体温が上がらないⅠ度の段階で対処することが大切です。しかもⅠ度からⅡ度、Ⅲ度にはあっという間に進行する恐れもありますから、十分な注意が求められます。

[新分類に対応した対処法]

  1. Ⅰ度 涼しい、風通しの良い場所に移す/安静にしてカラダを冷やす
    水分、塩分、糖分を補給する
  2. Ⅱ度 Ⅰ度の対応を持続する
    誰かが必ずそばで見守り、症状が改善しなければ病院へ移す
    Ⅲ度に悪化した場合も病院へ移す
  3. Ⅲ度 Ⅰ度、Ⅱ度の対応を継続する/すぐに救急車を呼び、病院へ移す
冷やして経口補水療法を行うことが熱中症治療のポイント

熱中症予防は脱水症を知ることからです

熱中症の予防の基本は脱水症の予防。そのためには外的な予防と内的な予防があります。外的な予防は、脱水症を起こしやすい環境の改善。内的な予防は脱水症に対する防衛体力を養うことです。

[外的な予防]

  • □暑さを避ける服装になる
  • □風通しを良くする
  • □無理な節電をしない
  • □気温、湿度を下げる
  • □WBGT計を用いた指針を守る

**WBGT(湿球黒球温度)計とは、気温・湿度・輻射熱(ふくしゃねつ/赤外線などを吸収した物体から発生する熱)の3つを取り入れた指標。数値により熱中症に関して「ほぼ安全」「注意」「警戒」「厳重警戒」「運動は原則中止」という5段階にわけられます。これに従い、無理な労働や運動をしないことが大切です。

[内的な予防]

  • □無理なダイエットなどで食事や飲み物を制限しない
  • □十分な水分と電解質を補給する
  • □睡眠をしっかり取って休息する
  • □適度な運動で筋力を保ち、汗がかける体質になる

*発汗を伴うような運動では水分と電解質の補給を欠かさないようにしてください。

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