熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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〈今日から熱中症予防強化月間〉熱中症「自分は大丈夫!」 高齢者ほど自負 70代では51% ~熱中症対策の意識と行動 全国2,100人対象に調査~



本日7月1日から7月31日までは、政府が定める「熱中症予防強化月間」です。医療、看護の専門家が集まり、熱中症、脱水症についての正しい情報を発信している「教えて!『かくれ脱水』委員会」(委員長 服部益治 兵庫医科大学小児科学教授 医学博士、以下「当委員会」)では、熱中症や脱水症に対する各世代の人たちの意識や行動の実態を明らかにするため、2013年6月に、全国に住む男女2,100人を対象とした調査を実施しました。
調査の結果、以下のことが明らかになりました。

①高齢者は熱中症対策への自負心強い傾向 “自分は大丈夫”
② 熱中症の対策法について、知ってはいるけど実践しない
 “頭でっかち”タイプが結構多い
③ 熱中症対策に敏感な人は、塩分を含む飲み物を積極的に飲んでいる
④ 「熱中症になりやすいのは屋外」という認識多し

この結果を受け、当委員会では熱中症、脱水症の予防・対策のための啓発活動として、正しい行動につながる情報発信を引き続き実施してまいります。

高齢者は熱中症対策への自負心強い傾向
“自分は大丈夫”

調査では、熱中症に対する高齢者の意識について、気になる結果が示されました。自分が普段の生活のなかで熱中症になる可能性をどのように考えているか、各年代に質問したところ、「熱中症になる可能性はあまりないと考えている」「全くないと考えている」と答える人の割合が、年代が上になるほど高くなる傾向にあることが分かりました。その割合は、20代以下が36%なのに対し、70代以上では51%と過半数に至っています。

熱中症になる可能性について
「あまりない」「全くない」と考えている人の割合(N=2100)

これにはふたつの理由が考えられます。ひとつは、若い人と高齢者とで、熱中症の病態の重さに対する捉え方が異なることです。「あなた自身、またはご家族、知人が今まで熱中症になったことがありますか」という質問では、16~19歳の人たちの4分の1(25.0%)が「自分が熱中症になったことがある」と答えているのに対し、それが70歳以上になると10分の1(9.3%)に留まっています。これは実際の患者統計と異なる結果となりますが、この認識の違いゆえに、高齢者ほど「熱中症なんてめったにならない」「自分は大丈夫だ」と考えがちだといえるでしょう。

もうひとつは、熱中症対策への自負心が強いことが挙げられます。具体的な対策法については、年代が高くなるほど、それらを認識している割合も実行している割合も高いことがわかりました。「自分は熱中症にならない」という自信は、きちんと対策を施しているという自覚に裏付けられているといえます。

しかし、消防庁の統計によれば、熱中症と見られる症状で病院に搬送されている人のなかでは、高齢者の割合が高くなっています。「自分は熱中症にならない」という思いとは裏腹に、高齢者や子どものカラダは脱水状態になりやすく、したがって熱中症も起こしやすいのです。さらに、外的な危険因子も日常生活には潜んでいます。

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たとえば、「エアコン使用は控えめにしている」という項目について、「当てはまる」「どちらかと言えば当てはまる」と答えた人の割合は、節電意識もあってか全体的に多くなっていますが、特に70歳以上では74%と高くなっています。また、ペットボトル飲料や紙パックの飲料を購入しない人の割合も、70歳以上の世代が最も高くなっています。購入しない理由として、一番多かったのは「自宅でお茶をつくって飲むから」。熱中症を防ぐためには、水分だけでなく塩分の摂取も必要ですが、自宅でつくる麦茶などは塩分を含んでいないため、とくに脱水状態に陥っているときの水分補給としては不充分です。

「熱中症は重い病気だから滅多にならない」という誤解や、「自分はしっかり対策をしているから大丈夫」という自信こそが、熱中症を重症化させる落とし穴だといえます。熱中症は誰でもなり得る病気であり、その危険因子は、気付かぬところにも潜んでいます。慢心を抱くことなく、油断せずにしっかり予防・対策を講じることが大切です。

 

熱中症の対策法について、
知ってはいるけど実践しない“頭でっかち”タイプが結構多い

具体的な熱中症対策法として正しいと思うことについて聞いたところ、“スポーツドリンクや経口補水液など塩分を含む水分補給をする”(「正しいと思う」85.3%)、“冷房を入れる”(同60.1%)、“出かける際は帽子をかぶる”(同74.2%)といった、具体的な方策についての認識は高いことがわかりました。一方で、それらの対策を実際に行っている人は、半数~3分の2程度に留まっています。ここから、熱中症対策についての情報は広く伝わっているものの、それが個人個人の行動につながっていないという実態が見えてきました。
この結果について、当委員会の服部委員長は、「わかっているけどできない、という“頭でっかち”タイプが意外と多い。知っているだけでは熱中症の予防につながりません」と語っています。

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熱中症対策に敏感な人は、塩分を含む飲み物を積極的に飲んでいる

一方で、対策の情報を知り、しっかり対策している人たちも一定数います。特に注目すべきが、熱中症を防ぐための水分・塩分補給についてです。熱中症は、発汗などによって体液を失って起こる脱水症が進行して起こります。体液はナトリウムなどの電解質を含むため、脱水症・熱中症の予防・治療のためには電解質(塩分など)の補給が必要になります。そこで、「あなたは、熱中症対策として日頃から意識して塩分を摂っていますか」と質問したところ、「意識してとっている」「それなりに意識してとっている」と答えた人は、全体の4割以下に留まりました。では、それらの塩分を何から摂取しているのでしょう。

熱中症対策としての塩分摂取を意識している、していないに関わらず、もっとも多かった答えは「食事」。しかし、特徴的なのは2番目に多かった「塩分を含む飲み物」の割合です。熱中症対策として塩分を摂ることを「あまり意識していない」「全く意識していない」人のうち、「塩分を含む飲み物」からと答えた割合は10~20%台。それに対し、「それなりに意識してとっている」人のうちの割合は58.7%、「意識してとっている」人のうちの割合は67.0%と、高い数値を示しています。ここから、脱水症対策に敏感な人は、塩分を含む飲み物を積極的に飲んでいることがわかりました。

この結果について、服部委員長は「喉が渇いていなくても積極的に水分補給をしましょう。脱水症一歩手前の『かくれ脱水』の状態のときは、とくに塩分を含む飲み物を選んで飲むことが大切です。脱水状態を改善するための飲み物としておすすめしたいのは、カラダへの吸収が良い形で塩分・糖分が配合された経口補水液。ドラッグストアや薬局でも販売されているので、家に常備しておくと良いでしょう」と語っています。

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「熱中症になりやすいのは屋外」という認識多し

ところで、熱中症はどこで多く発生しているのでしょう。調査では、「屋内で空調設備の整った労働環境」「屋内で空調設備が整っていない労働環境」「屋内での労働環境」「家の中」「グラウンド」「車の中」「路上」の各項目について、一般的に熱中症になりやすい場所・環境がどこだと思うかを、順位づけしてもらいました。それらの結果を統合した結果、右のような順位が示されました。屋外の環境が上位、屋内が下位ということで、やはり多くの人が「熱中症になりやすいのは屋外」と考えているようです。しかし実態は、思いのほか屋内で発生しています。日本救急医学会「熱中症に関する委員会」の2010年の統計によりますと、スポーツなど特殊な環境以外の日常生活で起こる熱中症については、発生場所が「屋内」、「日なた」、「日陰」の順で患者が多かったということです。しかも、そうした日常生活で起こる熱中症は、スポーツや仕事中に発生したケースに比べ、来院時に重症化している割合が高いというデータもあります。「家の中では起こりにくい」という認識が、熱中症への危険意識を低くしているのかも知れません。

一般的に熱中症になりやすい場所・環境はどこだと思いますか?
(1位~3位の順位づけの結果を統合して算出)

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この結果について、服部委員長は、「家の中にいれば熱中症にならないと思っている人がまだまだ多いようです。ヒートアイランド現象などにより、家の中は昔の日なたくらい暑くなっていると考えたほうが良いでしょう。くれぐれもご注意を」と語っています。

本件に関するお問い合わせ先
教えて!「かくれ脱水」委員会 広報事務局(ブルーカレント・ジャパン株式会社内)
担当:山﨑(やまざき)・鍋田(なべた)・芳賀(はが)
TEL: 03-6204-4141  Fax: 03-6204-4142
E-mail:info.kakuredassui@bluecurrentgroup.com