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乳幼児の水分補給に気をつけて! RSウイルス感染症



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冬場に発症例が増えてくるRSウイルス感染症。乳幼児から大人まで幅広く感染する病気ですが、とくに2歳未満の乳幼児では脱水のリスクが高くなる場合もあります。RSウイルス感染症にどう対処すべきか。教えて!「かくれ脱水」委員会の十河剛委員に答えて頂きました。

 RSウイルス感染症とはどんな病気ですか?

 大きな子供や大人がかかると、いわゆる鼻風邪です。鼻水が出たり、発熱が起こったりする程度で重症化する心配はありませんが、乳幼児、とくに2歳未満だと細気管支炎を起こし、呼吸困難になって喘息のようにゼーゼー、ヒューヒューといった苦しそうな呼吸音を伴うことがあります。場合によっては症状が進行し肺炎を起こすケースもあります。乳幼児は気管支が狭いうえに、RSウイルスに対する免疫力がまだ確立していないので重症化しやすいのです。

 RSウイルス感染症はどのように感染するのでしょうか?

 感染経路は飛沫感染と接触感染です。飛沫感染とは、コンコンというせき、あるいはハクションというくしゃみに伴い、感染者から出たRSウイルスを含む唾や鼻水のしぶきが、空中を漂っていて、それを直接的に吸い込むことで感染します。接触感染は、これらの細かい飛沫がテーブルなどに付着し、そこにまだウイルスが生き残っているうちに手などが触れてウイルスが付着し、その手を口などに接触させることで感染します。

 RSウイルス感染症の感染を防ぐ方法を教えてください。

 飛沫感染はマスク、接触感染はこまめな手洗いで防ぐことができます。手洗いは入念に行い、使い捨ての紙タオルのように他人と共有しないものを使って水気をしっかり拭き取ってください。未熟児で生まれたり、生まれつき心臓に病気がある乳幼児がRSウイルス感染症にかかると重症化するリスクが高いと言われています。これらの条件を満たす子供は抗体(ウイルスを無力化するタンパク質)を定期的に注射する予防策が健康保険で受けられますが、主治医からの指示に従って下さい。

 

 RSウイルス感染症に罹ったら、どうすればいいのでしょうか?

 他の風邪と同じように、RSウイルス感染症の治療薬はありません。タンが出る症状にはタンを排泄しやすくする薬、鼻水が出る症状には鼻水を抑える薬が処方されますが、いずれも対症療法。インフルエンザのように熱が出てから48時間以内に飲むと症状が軽くなるといった治療薬は存在しないのです。大人は症状が軽く、長くても1〜2週間で治まりますから、それまで安静にして待ちましょう。ただし治ってからも最大1か月間くらいはRSウイルスを出し続けています。家族や周囲に小さい子供がいる場合、マスクをするなどしてうつさない配慮をしてください。鼻をかむと手のひらや指にウイルスが付着しますので、その後は手をしっかり洗いましょう。

 RSウイルス感染症で脱水を起こす恐れもありますか?

 大人の鼻風邪でも呼吸が荒くなると呼気から失われる水分が増えますし、発熱すると発汗によって水分が失われますから、脱水を防ぐための水分補給は必須です。さらに乳幼児が細気管支炎を起こし、水分補給が充分でなく脱水状態に陥った場合、単純な脱水とは異なり、血液の中のナトリウム濃度が下がる低張性脱水になることがあります。その理由ははっきりしないのですが、細気管支炎が生じるとホルモンの作用で体内に水分を貯めやすくなり、本来は一定範囲内に保たれているナトリウム濃度が相対的に下がるため、低張性脱水が起こるようです。そのようなときには、電解質を含まない水やお茶ではなく、ナトリウムを適度に含んだ経口補水液による水分補給をおすすめします。

十河剛(そごう・つよし)先生

十河剛(そごう・つよし)

済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科 副部長 医学博士

1970年 東京生まれ。1995年 防衛医科大学校医学科卒。躰道六段教士。合気道二段剣道二段。日本小児科学会認定小児科専門医。日本肝臓学会認定肝臓専門医。日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医。自宅敷地内に道場建設し、Sogo Budo Academy International設立。現在、子供達や学生達への指導を続けている。