熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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Q2:ノロウイルスに対する高齢者ができる予防法などはありますか?

A2. 流行りの時期は生ものを摂らない。そして手洗い・うがいの徹底

加齢とともにウイルスなどの外敵からカラダを守る、人間に本来備わっている免疫力も減少しています。ですから、ノロウイルスの流行る11月末から1月末には、発生源と言われるような食べ物を控えるほうがいいでしょう。

生の魚介類や半生の肉類、生卵などを控え、食べるなら十分な加熱をすること。この季節、付近の施設などで発症情報がある場合、介護士の方々は以前から感染源と言われている牡蠣などの2枚貝を食べないようにしているという話もありますよ。

後は徹底した手洗いと、うがい。手洗いは、手のひらだけでなく、手の甲、指の間、ツメのなか、そして手首まで石けんを使って洗うこと。さまざまな地域の行政が配布するパンフレットなどを参考にするといいでしょう。

Q3:高齢者のいる家庭での予防・対策について教えてください

A3. 汚物に絶対に触らない。その処理の方法を覚えておくこと

施設などでは便の処理は徹底していると思いますが、家庭でも、トイレを汚した場合やおう吐した床などは慌てないで絶対に触らないこと。落ち着いて、防備して処理しましょう。

その場所を消毒することも必要です。消毒には塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を100分の1程度に薄めて使うのがいいでしょう。ウイルスを含んだ吐しゃ物は、目に見えるところだけでなく広い範囲に飛散していますから、半径2メートル程度の範囲も消毒すべきです。

「ノロウイルス対策セット」イカリ消毒(株)一般的な吐物処理キットの内容。現在さまざまなメーカーがこうした基本セットで販売している。(撮影協力:機能水研究振興財団)

家庭で消毒する際は、必ず換気し、マスク、手袋のほか、足や手元をビニールなどで覆ってウイルスの付着を防ぐこと。ノロウイルスなどの感染症対策に吐物処理キットが売られていますのでそれを利用するのもいいと思います。掃除と消毒が終わったら、ビニール袋などに捨てしかるべく処理して下さい。カーペットなどにはスチームアイロンなどによる加熱も有効ですが、1カ所あたり2分程度の加熱が必要なので、ご家庭での広い範囲の処理には不向きです。

Q4:ノロウイルスに対して、高齢者や周囲の人が覚えておくべき対処法を教えてください

A4. 下痢やおう吐からの脱水のために、経口補水療法が生まれたんです

私たちが在宅診療をおこなう場合、感染性の胃腸炎への対処として、めまいがする程度の軽度から中程度の脱水状態なら経口補水療法をおこないます。高齢者は、おう吐や下痢が始まった時点ですでに脱水状態。速やかに水分と電解質、それに適度な糖分(電解質の吸収に役立つ)を摂ることが必須なのです。

よくスポーツドリンクや、水ですまそうとする人がいますが、水では体液を薄めてしまい、利尿をうながして脱水を進めてしまいますし、スポーツドリンクなどでは、吸収を考えると下痢やおう吐時にはお勧めしません。

経口補水液を摂ること。経口補水液はもともと下痢やおう吐への対処法として、どこでも誰もが点滴のような水分と電解質の補給効果を期待できるよう開発されたもの。失った体液の成分と似ているだけでなく、適度に含まれているブドウ糖が、水や電解質を吸収する部位である小腸の機能にスイッチを入れる働きをしてくれるのです。

脱水があるかないかで免疫力がまるで違います。ケースバイケースですが高齢者の場合は、持病が悪化したりする引き金にもなります。ノロウイルスは長くても数日で症状は落ちつきますが、落ち着いても2〜3日はウイルスが体内に残っていますから、持病がある人はもちろん、体力が落ちている高齢者は、しばらくの間は注意した方がいいでしょうね。

Q5:経口補水液を飲みたがらない高齢者も多いです。周囲はそれで困ることもありますね

更新日:2014/12/25

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