熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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“熱中症弱者”を守る方法を知りましょう

三宅先生は「それまで元気だった人が労働やスポーツなどで大量に汗をかいて起こる熱中症は、きちんと対処すれば予後も良く、後遺症も残らないケースがほとんどです」とおっしゃいます。それに対して重症化しやすいのは、高齢者や病気の人など、そもそも元気がない“熱中症弱者”。

ことに注意が求められるのは、一人暮らしの高齢者、高齢者が高齢者を介護する老老介護の家庭など。周囲が異変に気づくのが遅れると、気温の上昇、栄養不足や下痢などから脱水症が進み、重症化。栄養不足や免疫力の低下などから、感染症などを併発しがちです。日頃から周囲が声をかけ、脱水症になっていないか、体調不良の兆しはないかといった安全確認をしてください。

高齢者は気温の変化に対するセンサーが鈍っているので、夏場に気温が上がっているのに気がつかないケースもあります。そこで高齢者の部屋に温度計を設置。「28度を超したら、冷房を入れてカラダを冷やしましょう」などと声をかけてエアコンのスイッチを入れてください。直接訪問できないときは、気温が上がるお昼頃に電話をかけて部屋の温度計の表示を教えてもらい、「28度を超えているのだから、冷房を入れましょう」などと声をかけてエアコンのスイッチを入れてもらいます。

高齢者が多い団地などでは、夏場気温が上がる午後1時頃から高齢者に冷房の効いた集会所に集まってもらい、映画を上映するところもあります。こうすれば、1日のうちでもっとも暑い時間帯を冷房なしで過ごすことが避けられますし、安全確認にもなりますから、一石二鳥です。

“熱中症弱者”の高齢者の脱水症を防ぐ方法

  • 高齢者を一人きりにしない。
  • 1日に最低1回は周囲が安全確認を行う。
  • 高齢者の部屋に温度計を置く。
  • 温度計で客観的に気温を示し、エアコンを使う。

帝京大学医学部救急医学講座教授
帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長
医学博士

三宅康史(みやけ・やすふみ)

専門は救急医学。日本救急医学会評議員・指導医、熱中症に関する委員会委員長、脳死・臓器組織移植に関する委員会、東京消防庁救急隊指導医などを務める。編著に『熱中症~日本を襲う熱波の恐怖~改訂第2版』(へるす出版) 『救命救急・集中治療エキスパートブックR35』(日本医事新報社)などがある。1985年、東京医科歯科大学医学部医学科卒業。

緊急時の対処法を覚えておきましょう

更新日:2012/07/05

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