熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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クラブ活動での、熱中症対処への意識変化は?

土﨑先生、剣道の現場では、今のような話についての理解はいかがでしょうか?

土﨑 近年は、日本全体で、真夏日とかいわれるようになって、自分たちが子供の頃に経験したことの無い、暑い日差しが照る日が続く中で運動しなければならない。きちんと水分補給をして運動するための科学的な知識が必要になってきたと感じています。

剣道界全体としても、夏場の稽古はそうしたリスクがあるということを認識しています。今、夏場の大きな大会は空調設備を整えておこなっています。日本武道館でもそうですし、東京武道館でも。

最近の稽古では、脱水しないように、運動した後に水分を摂るのではなく、先に水分と電解質を摂っておいて、その摂った分を汗として出す。カラダの水分量はなるべく変わらないようにしておきなさいということが指導としていわれるようになってきました。我々もなるべく稽古の前にまず水分を摂っておくようにとか、朝稽古のときやランニングのとき、なるべく前に水分と電解質を摂っておくようにしています。

十河 そうですね、最近は激しい汗をかくときは、体重減少を2%以内に抑えるようにいわれています。そのために、先に水分や電解質を摂っておくことが推奨されているんです。体重を稽古や練習の前後で測るというのが理想なんですが、なかなかそこまではいきませんので、目安として前もって飲んでおくということですね。

稽古中に気をつけていることは?

稽古を終え防具を外す部員たち

土﨑 気分が悪くなってきたとか、ちょっと動きが悪いなあ、というような生徒には、すぐに防具を外させて、楽な状態にして風当たりのいいところで休むようにいいます。スポーツドリンクを飲んで休養すれば、次の日は普通に回復しているようです。

十河  剣道の稽古は一対一で行うことが多いので、なかなか防具を外すタイミングが無いということも上げられますね。

土﨑 はい、剣道のような、対人競技の稽古というのは、柔道もそうですけど休む時間がないですね。剣道だったらどっちかが打つ、どっちかが打たせるという役割分担。それを交代して何度もやる。そのため、稽古の継続時間や生徒の状態を配慮して、どこかのタイミングで一回防具を外して休む、あるいは水分補給をするということが必要になってくると思います。

稽古の時間に関してはいかがでしょうか?

土﨑 夏の練習は、基本は2時間前後、長くても2時間半です。最初は、面とか小手を付けない状態での素振りとかの基本の動き。それから防具を着けて基本の動き。その後、また防具を外して水分補給をして後に基本をやって、また防具を付けて激しい動きの稽古という具合です。合宿などでは、朝のうちに激しい稽古をやって、暑くなってからはおさえてやるなどの工夫もしています。

剣道という武道の精神面を鍛えようとすることからのリスクはどうでしょうか?

十河  たしかにあるでしょうが、それ以上にクラブ活動ということが大きいんですね。クラブ活動というのは、先生と生徒、仲間同士、先輩と後輩など、いろいろな関係のなかで行われます。何かストイックに記録や技術をつきつめる環境とは違う。このような環境の中でやっていると、周囲からのプレッシャーもありますし、同級生へのライバル心も湧く。あいつは頑張っているとか、あいつは根性が無いとか、やる気が無いとか、自分でも人からも評価がともなうし、個人的に追いつめられているところがあります。結果として、体力の限界ぎりぎりまでいってしまうようなこともあるわけです。

顧問としてはどのような点を注意されていますか?

土﨑  顔色とか、唇の色とか、普段じゃない状態とか、、、。今の時代は、無理は絶対にさせません。もちろん、本人が不調を訴えてきたときのガマンもさせません。

問題は、夏場などに寝不足で来たりする生徒です。そういう生徒は体調を崩しやすい。何となく気になる生徒に「昨日寝たのか?」と聞くと「いや、昨日は夜更かしをして、、」などということがある。そういう生徒は休ませますね。スマホでラインやったり、ゲームやったりして、夜更かしする例は多いですよ。

十河  運動をやっている子は、睡眠が大切です。私の周辺でも、熱中症になる子は、寝不足、それに朝ご飯を食べていない子が多いですね。運動をする生徒は、朝食でしっかり栄養と水分や電解質を摂ることがとても重要なんです。

終わってからの水分補給は、濃いめの塩分を。

更新日:2019/07/05

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