脱水に、早め早めの経口補水療法を 季節、生活習慣、「変わり目脱水」にご注意!

もはや夏の暑さにともなう熱中症や、冬に多いノロウイルス性急性胃腸炎やインフルエンザだけが脱水リスクではありません。季節や生活習慣などの「変わり目」でも、脱水によるリスクを意識した予防や、早めの経口補水療法による対策をしていく時代になりました。 監修:教えて!「かくれ脱水」委員会 委員長 兵庫医科大学 特別招聘教授 医学博士 服部益治
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もはや夏の暑さにともなう熱中症や、冬に多いノロウイルス性急性胃腸炎やインフルエンザだけが脱水リスクではありません。季節や生活習慣などの「変わり目」でも、脱水によるリスクを意識した予防や、早めの経口補水療法による対策をしていく時代になりました。 監修:教えて!「かくれ脱水」委員会 委員長 兵庫医科大学 特別招聘教授 医学博士 服部益治
教えて!「かくれ脱水」委員会が、熱中症による搬送者ゼロを目指して、様々な活動をはじめて今年の夏で5年目を迎えます。この間、さまざまな報道や各自治体を通じての啓発活動もあり、人々の熱中症に対する注意意識は格段に浸透したと感じています。ご家庭での日々の予防はもとより、学校や職場においても、暑い日に汗をかいたときは、適度な休息や水分と塩分のこま目な補給を心がける人があたりまえになってきました。しかし、私たちの暮らす環境では、こうした注意をもっと拡げていくことも必要だとわかっています。身体を脱水から守るために、わたしが考えるキーワードは「変わり目脱水」です。
冬から春、梅雨から初夏
気温差を甘く見る
体温や体液と関連する発汗機能が慣れていない
新入生、新入社員
上級生やベテランとの心身の差
近年、冬から初春にかけて、初夏のようなぽかぽかした日射しの日と真冬を思わせる日が交互に来るなど、かつてあまり体験したことのないような寒暖の変化が激しい日が続いています。今年も既に、脱水症を伴い初期の熱中症と同じような症状で搬送される方が見られるようです。これは、恒温動物であるわたしたちの身体に備わっている体温調節機能が気温の変化に慣れていないために、十分機能できていないためだと考えられます。
旧来は、“気温が高くなりはじめ”や“湿度の高い日が続く梅雨時”の、カラダが暑さに慣れない時期に熱中症が増えはじめるといわれていました。しかし近年の日本における気候の変化は、春先の季節の変わり目でも脱水リスクを高めているのです。もともと身体の調節機能が未発達で水分の出入りが大きい小児や、筋肉量の低下などで身体の水分量が少なくなっている高齢者は、この時期にとくに汗をかいたと感じなくても、周囲の方が「少し変だな?」と異常を感じたら、経口補水液を摂らせるなど、早めの対策をおこないましょう。
更新日:2019/07/05