熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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小中学生の脱水状態のケアには、経口補水療法を

上記で靍先生がいわれる経口補水液とは、脱水症状のとき注射や点滴ではなくその成分とよく似た、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された液体を口から摂取して回復させる経口補水療法(ORT:Oral Rehydration Therapy)に使われるものです。

脱水症とは「カラダから水分が失われるだけでなく、電解質も同時に失われている」状態ですから、経口補水液はいわばカラダが失った体液を、飲んで補う水ということ。体重50kgの人が1~2%の体重の減少をみた場合で、1日に経口補水液をゆっくり500ml~1000ml摂取するというのが目安です。カラダから失われる体液量に併せて適宜増減して摂取しましょう。

小中学生へ。こんなときは、経口補水液が効果的です

夏の脱水状態の見分け方は、「べた」「だる」「ふら」「いた」。

熱中症を防ぐために脱水に関する啓発を進めている、教えて!「かくれ脱水」委員会の服部委員長が作った、夏の脱水症状サイン。普段の生活の中で、経口補水液を摂る早期対応の目安です。「かくれ脱水」JOURNAL、「脱水症から熱中症が起こります」にある熱中症の分離法のうちⅠ度の症状を見逃さず、以下をカラダの声を聞くための手引きとして活用してください。

「べた」は、肌がべたべたしてくること

夏の蒸し暑さなどのいやな感じで、皮膚がべたべたした感じになること。スポーツドリンクやイオン飲料などで、水分や電解質を摂ることをお勧めします。

「だる」は、やる気や活気の低下

脱水の初期から現れる症状です。カラダは水分を欲しがりますが、水分だけの飲用は低ナトリウム血症などへつながります。電解質を含む飲料である経口補水液での失った体液の補水が脱水の進行を防ぎます。

「ふら」は、めまいや立ちくらみ、「ふらっ」とする状態

熱中症のⅠ度の状態が進んでいます。嫌な汗をかき、なかなか汗がとまらなくなるときがあります。ほっておくと脳症状=血圧低下につながり、水分だけを摂ると低ナトリウム血症を引き起こす段階です。

「いた」は、足がつったり、頭痛が現れている状態

熱中症ではⅡ度に分類される症状に近くなっています。自覚できる症状として、カラダのさまざまな場所に辛いこむら返りや、とくに顔に熱っぽい状態が起こります。すぐに経口補水液を摂取し、改善しない場合は医師の判断を仰いでください。

雪の聖母会聖マリア病院 小児外科診療部長 医学博士

靍知光(つる・ともみつ)

現在、日本外科学会 専門医・指導医、日本小児外科学会 専門医・指導医、日本静脈経腸栄養学会 認定医・指導医。他に日本外科代謝栄養学会評議員、日本腹部救急医学会評議員・編集委員、日本小児救急医学会評議員・ガイドライン委員、日本外科感染症学会評議員、日本機能水学会理事などを務める。専門(研究)分野は、小児・新生児外科、周術期代謝栄養学、経口補水療法(ORT)の臨床応用、小児胸腹部外傷の治療。著書に『新臨床外科学-小児悪性腫瘍(共著)』(医学書院)、『小児救急のストラテジー(共著)』(へるす出版)、『経腸栄養バイブル-小児(共著)』(日本医事新報社)など

熱中症の予防は、脱水症を予防することが基本です。

更新日:2013/06/07

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