熱中症と脱水症に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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知っていましたか?
高齢者の脱水は、実は在宅時も多い

高齢者の脱水症は在宅時にも起こりやすい症状です。 在宅時の脱水症を早期発見し予防するために3つのステップで 正しく脱水症を確認してください。

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ステップ1 「かくれ脱水」のリスク保有の有無(健康な時に評価)

まず始めに、できるだけ健康状態の良いときにステップ1で「かくれ脱水」のリスク保有者かどうかを調べて下さい。ステップ1のリストAとリストBで各項目1つ以上チェック項目があれば、「かくれ脱水」のリスク保有者です。保有者にリストCに示すようなエピソードがあったら、ステップ2のスクリーニングを実施して下さい。

【リストA】脱水症になりやすい身体的ファクター(内的要因)

  • 65歳以上である
  • 高血圧、糖尿病、心臓あるいは腎臓の持病がある、利尿薬を内服している
  • ここ1年間で脱水症あるいは熱中症になったことがある
  • 栄養不良(アルブミン 3.5g/dl 以下)
  • 肥満(BMI 25 kg/㎡以上)

*高齢者は脱水症になりやすいという特徴があります。高血圧や糖尿病、心臓あるいは腎臓の持病があると、腎臓の機能が低下して水分と電解質の再吸収が滞り、水分と電解質が失われて脱水症を起こしやすくなります。

*アルブミンとは、単純タンパク質の一種で、血液の浸透圧調整や体外物質の保持・運搬機能を担っています。

*BMI(体格指数)とは、体重(kg)をメートル換算した身長(m)で2回割ったもの。75kgで170cmなら、BMI=75÷1.7÷1.7≒26と計算します。日本肥満学会ではBMI25以上を「肥満」としています。

【リストB】脱水症になりやすい環境的ファクター(外的要因)

  • 節電を強いられている
  • 一人暮らしである
  • 気密性の高い住宅(マンションなど)に住んでいる
  • いちばん上の階で生活している

*集合住宅のような機密性の高い住居では、風通しも悪く、一度こもった熱がぬけにくいという特徴があります。太陽光で昼間にコンクリートにこもった熱が、夜間に室内に放熱され、思わぬ時間に室温が上昇することもあります。特に、いちばん上の階は太陽熱を受けやすいので昼も夜も注意が必要です。最近は断熱材を用いた住宅の開発が進み、外からの熱が室内に伝わらないような工夫が施されるようになっています。

【リストC】脱水症につながりやすい出来事(エピソード)

  • 熱帯夜や真夏日などで暑い日が続く
  • 大量の汗をかく
  • 下痢や嘔吐を繰り返している
  • 風邪をひく
  • 手術をした。事故などでケガを負った
  • 精神的なダメージを受けた
  • 引っ越しや近親者との死別などで生活環境が変わった

*病気やケガなどは多かれ少なかれ脱水症を伴うケースが大半です。また精神的なダメージや生活環境の変化はストレスになり、ストレスから食事量や水分摂取量が減ると水分と電解質の不足から脱水症のリスクが高くなります。

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ステップ2 ほんとうに脱水症かどうかの選別(スクリーニング)

更新日:2012/6/24

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