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高齢者の熱中症予防、
すぐに実践できること

もともと体液が減少し、水分や塩分の摂取に重要な食事量も 低下しがちな高齢者は、発汗による体温調節機構が十分機能しない脱水弱者。「かくれ脱水」の段階を早めに気づき、 対策をとっていくことが、熱中症予防の基本です。

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高齢者の熱中症予防、すぐに実践できること

高齢者が、「かくれ脱水」にならないためにできること

高齢者が「かくれ脱水」段階で脱水症を予防していくために、日常生活で心がけることを知っておきましょう。大切なことは、高齢者が脱水症を起こしやすい環境をできるだけ改善すること。外出のときに夏の列車内や量販店など、外気との温度差のある環境での体温調整の工夫をすること。そして、食事などで防衛体力をできるだけ保持することなどがあります。

在宅や外出時にできること

  • なるべく暑さを避ける服装になる
  • 首に巻くスカーフなど、体温調整をする工夫
  • 扇風機などを使い、部屋の空気を入れかえる
  • 我慢してクーラーを止めるなど、無理な節電をしない
  • 温度計をみて、高温多湿を避ける
  • エアコンの環境では濡れタオルを掛ける。観葉植物の水やりなど
  • 規則正しい栄養バランスと量を考えた食事

夏の目安は、「だる」「ふら」「いた」。ぜひ覚えておきましょう

熱中症を防ぐために脱水に関する啓発を進めている、教えて!「かくれ脱水」委員会の服部委員長が作った、夏の脱水症状サイン。高齢者においても普段の生活の中で、経口補水液を摂るための早期対応の目安となります。高齢者を見守る手引きとして参考にして下さい。

「だる」は、元気がなく見えること

なんとなく見た感じで元気がない。食欲が減退していると感じられるとき。口渇中枢の機能が下がっている高齢者は、あまり喉が渇いたということを感じません。

そのままだと脱水状態が進みますが、水分だけの飲用は低ナトリウム血症などへつながります。電解質を含む飲料である経口補水液での失った体液の補水が脱水の進行を防ぎます。

「ふら」は、めまいや立ちくらみ、少しふらふらしているように見える

熱中症のⅠ度の状態が進んでいます。嫌な汗をかき、なかなか汗がとまらなくなるときがあります。立ち上がるときにふらついたり、いつもよりふらふらしているように見える状態です。

ほっておくと脳症状=血圧低下につながり、水分だけを摂ると低ナトリウム血症を引き起こす段階。経口補水療法をすぐに始めることです。

「いた」は、足がつったり、頭痛が現れている状態

熱中症ではⅡ度に分類される症状に近くなっています。自覚できる症状として、カラダのさまざまな場所にこむら返りや、とくに顔に熱っぽい状態が起こります。経口補水液をすみやかに摂取し、改善しない場合は医師の判断を仰いでください。

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「富士山」が手の甲にできたら要注意。高齢者にはゼリータイプの経口補水療法を。

更新日:2019/07/01

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