熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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Q2:建設業や製造業は、熱中症・脱水症対策が浸透してきていると聞きます。どのような対策とその予防をしているのでしょうか?

A2. 建設業や製造業は、職場の改善と労働管理によって、熱中症は発生が抑えられてきている。

実は、建設現場や製造業における工場などでは、熱中症や脱水症の予防について、さまざまな対策がなされ、監督や管理者の方々にも、脱水症予防や熱中症への早めの対処の知識が浸透してきています。厚労省からも、建設業や製造業については、細かな熱中症指導が行われていて、現在では、多くの企業が、産業医や職場の衛生管理者などの産業看護スタッフを通じて、さまざまな熱中症への対策をおこなっています。

例えば、朝礼などで、日頃の健康管理を指導することはもちろん、WBGT値(暑さ指数)を確認して、その値による労働基準を守るようにしていますし、作業場においては、日光の照り返しを防ぐ簡易的な屋根の設置や、スポットクーラー、大型扇風機などの使用、それに冷房やシャワーなど、カラダを冷やし休ませる場所としての休憩所の確保など、細かい指導が通達され、かなり実現してきています。透湿性や通気性のいい服装の奨励や、休憩時間をこまめに設けること、作業者同士での声かけなども浸透してきました。

作業中の、経口補水液による水分と電解質の補給についても、WBGT値との関連で摂ることが浸透してきていて、工場や建設現場には、経口補水液を冷やして置くところも増えています。夏場の気候やヒートアイランド現象などは、年々、厳しい状態になりつつありますが、熱中症の搬送者が大きく増えていないのは、こうした理由からだと思います。

Q3:一方、運送業の現状をどうお考えですか? 代表的な職種の熱中症リスクと その対処について教えて下さい。

A3. 運送業のなかでも、職種によって熱中症や脱水症リスクがとくに高いものがある。

建設業や製造業では、作業中は、管理者が作業者に異常がないかを頻繁に巡視することも普通に行われています。また、作業員の自覚に関わらず、水分と電解質の補給を推奨することも作業管理の中で行われています。

運送業の場合は、個人での作業が多いこともあり、建設業や製造業のように、働く場所での対策をおこない、作業中も管理していくことができにくいのです。脱水症の自覚症状がなくとも定期的に水分と電解質を補給すべきですが、個人に任せた場合は、実行しにくいかもしれません。時間に追われる仕事ですから、休憩も計画的には取りにくいと思われます。また、一口に運送業といっても、その関係職種は、倉庫業から、宅配ドライバー、港での貨物移送作業など、作業環境も作業内容も多様です。ですから、一概に対策を決めにくいという点もあります。それが、熱中症・脱水症対策が遅れているように感じる要因かも知れません。ただし、職種によっては、熱中症や脱水症のリスクが非常に高いものもあります。

■運送関係の冷蔵倉庫業

マイナス数十度の冷蔵庫から摂氏30度以上の室外を行き来する。気温の寒暖差の激しい場所で仕事をしたりすると、カラダの体温調節の機能が低下し、汗をかきにくくなり、熱中症リスクが高まる。

(対策)自覚症状がない場合も、こまめな水分と塩分の摂取を。作業量や作業強度などを、個人の体調に合わせて調整。

■宅配業者

大きなマンションなどでは、荷物を台車に積んで汗だくで走る姿が見受けられるが、熱を持ったカラダで、エアコンの効いた車内に戻り、また外へと、車内と外を頻繁に行き来するようでは脱水症になりやすい。

(対策)荷物を配達するドライバーは、温度差を避けるために、窓を開けて走るなど、温度差をつくらないような対策をみつける。そして、涼しい場所でのこまめな休息で、熱を持った筋肉を休めながら、水分と電解質を摂ることが必要です。

■引っ越し業

他の職種より脱水症から熱中症を起こしやすい。熱い屋外で重い荷物を運ぶ、激しく筋肉を使う職業。大量の汗をかく。筋肉は熱を持つし脱水しやすい仕事。にもかかわらず、お客様の手前、トイレを借りるわけにもいかず、水分摂取をガマンすることが多い。職業に従事する年齢層が若いですから、「なんとかなるだろう」と無理を重ねているというのが現状。

(対策)涼しい場所でのこまめな休息とトイレタイム。都度の水分と電解質の補給。

個人で判断するために、熱中症についての分類と、その対策を知っておきましょう。

熱中症は「どのくらい症状が重たいか」という重症度により、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度の3つに分類されます。

[熱中症の新分類]

Ⅰ度 めまいやたちくらみを自覚する/筋肉痛やこむら返り(脚がつる)がある/拭いても拭いても汗がどんどん出てくる
Ⅱ度 頭痛、悪心(吐き気)、嘔吐を認める/つかれやだるさといった全身倦怠感を自覚する
Ⅲ度 意識障害を認める/けいれんが起こる/体温が高くなる

熱中症には、とくにⅠ度の症状が現れる以前に、速やかな対処が求められます。

[各段階での対処法]

Ⅰ度 涼しい、風通しの良い場所に移す/安静にしてカラダを冷やす 水分、塩分、糖分を補給する
Ⅱ度 Ⅰ度の対応を持続する/誰かが必ずそばで見守り、症状が改善しなければ病院へ移す/Ⅲ度に悪化した場合も病院へ移す
Ⅲ度 Ⅰ度、Ⅱ度の対応を継続する/すぐに救急車を呼び、病院へ移す

熱中症のおよそ60%はⅠ度。脱水が進んでいますが、体温調節機構が破綻して体温が上昇するのはⅡ度以降。Ⅱ度以降は症状が重篤なので、体温が上がらないⅠ度の段階で対処することが大切です。しかもⅠ度からⅡ度は数十分、そしてⅢ度にあっという間に進行する恐れもありますから、十分な注意が求められます。

Q4. 運送業の方が熱中症や脱水症予防のために、普段から出来ることはありますか?

更新日:2019/07/05

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