私たちは、深刻な脱水状態を防ぐことで、熱中症で搬送される人をゼロにしたい。

STOP 熱中症 教えて!「かくれ脱水」委員会

かくれ脱水JOURNAL

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大量の汗をかいたときは経口補水液。飲み始めるときの心得が5つあります

労働中に、脱水の軽い症状がでたときは、次にあげる心得をよく理解し、症状にあわせて飲みはじめてください。高齢者で体重50kgの人が1~2%の体重の減少をみた場合で、1日に経口補水液をゆっくり500ml摂取するというのが目安です。脱水の症状に併せて適宜増減して摂取しましょう。基本的にはゆっくり飲むこと。軽い脱水症状を生じている場合は、美味しく感じるものですから、薄めたり飲みやすいようにジュースなどと混ぜたりしないで摂取してください。

大量の汗をかいたり、微熱や軽い頭痛があったり、乾燥を感じたり、眠気がとれないなど、ちょっとした脱水への気づきがあるときに経口補水液を少量ずつ摂取することで、発症する前の「かくれ脱水」の進行を予防することができます。前述の熱中症の初期症状が発症している場合は、持病のある方を除いて、ただちに経口補水液を飲むように勧めてください。そうしたサインの現れた人は、経口補水液を美味しく感じると思います。えん下に問題がある人(高齢者)は、市販のゼリータイプを試してみるといいようです。

労働の現場は、室内も室外も熱中症対策の最前線。喉が渇いたら水分補給です

エスエル医療グループ栄内科院長 愛知医科大学客員教授 産業医 山田琢之 談

熱中症対策の最前線が作業現場です。毎年、さまざまな労働の現場で、命に関わるような熱中症がおこり、救急搬送されています。ただ、その対策も、昔から、激しい労働環境への対策から生まれてきました。例えば、炭坑夫が働く鉱山のトンネルは、高温で湿度も100%を超えるような場所でした。そこでは、味噌をなめながら水分を摂っていたのです。17世紀のイタリアでは、産業医学の父といわれるベルナルディーノ・ラマツィーニが、ヴェネチアの窯のあるガラス工房を研究し、職人たちが暑い夏に作業をしないという、環境と労働作業での知恵の例をあげています。最近では、原発事故の作業現場ではクールスーツを着ているのですが、熱中症への対策として経口補水液を飲んでいました。

産業保健分野においては、現在では多くの企業が、職場の衛生管理者や保健師などの産業看護スタッフ等を通じて、さまざまな熱中症への対策をおこなっています。私は、産業医として新しい作業現場は必ず訪ねます。そうすると、さまざまなことがわかる。たとえば、現場にエアコンが付いていても、外と内を頻繁に行き来するような場所では、カラダが脱水しやすくなります。また、外の作業で、西日が当たる現場では、午前中の作業を優先させる作業工程をつくる指導もします。労働現場環境や作業条件の改善も重要な脱水対策だからです。 ただ、残念ながら中小の建設現場や交通誘導の場などでは、まだまだ、ある程度の暑さなら我慢して作業することが習慣化していたり、健康チェックをしないままで作業をしたりすることも多いようです。労働者の熱中症搬送の多くはそうした現場からのものなのです。

労働者が熱中症予防のために職場で出来ることとして、まず朝食を通じて基礎塩分をちゃんと摂ってください。また、職場環境においては「暑さ指数」を作業の目安とし、自覚症状に関係なく、喉が渇いたら水分補給をしてください。管理監督者もそれを心がけてください。水分補給をしているのはサボっているのではないのです。そして、外や暑い場所での作業で汗をたっぷりかいたらOS-1などの経口補水液を飲むことです。 最近では、作業現場にクーラーボックスを設置し、中に水と経口補水液を冷やしている会社が増えています。こうした労働環境でのこまやかな脱水対策が、命に関わる熱中症への進行を防いでくれます。

労働災害における熱中症による死亡者数、業種別割合
(平成9年〜平成21年 226人)

※提供:厚生労働省調べ

夏の職場では熱中症が多発中。無理をせず、3つの管理で対策を。

更新日:2013/07/20

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