農作業で熱中症にならないための5ヶ条


農林水産省によると、農作業中の熱中症による死者数は毎年20人程度を推移。しかも、少人数での作業の多い農業では、熱中症初期の兆候が発見されにくく、周囲が異常に気づいた時には手遅れとなるケースも多いといわれています。
かくれ脱水ジャーナルでは、産業医の山田琢之委員とともに、農業従事者が熱中症にならないために、守るべき5ヶ条を作成しました。ぜひ一読し、美味しい食を育てる大切な作業にお役立てください。
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農林水産省によると、農作業中の熱中症による死者数は毎年20人程度を推移。しかも、少人数での作業の多い農業では、熱中症初期の兆候が発見されにくく、周囲が異常に気づいた時には手遅れとなるケースも多いといわれています。
かくれ脱水ジャーナルでは、産業医の山田琢之委員とともに、農業従事者が熱中症にならないために、守るべき5ヶ条を作成しました。ぜひ一読し、美味しい食を育てる大切な作業にお役立てください。
朝は、寝ている間に呼吸や寝汗などで水分が失われているため脱水状態なのです。また血小板の活動が盛んなため、心筋梗塞などの危険性が高いのです。
できれば食事をして(バナナとかでも構いません)、水分補給をしてから作業をされることをお勧めします。
暑くなることが分かっているハウス農家の方は、少しでも涼しい早朝に作業をします。でも、ハウスは実は朝8時の段階で40℃程度に温度上昇。
しかも地面や野菜の持つ水分が蒸発し高温多湿状態に拍車をかけています。水分補給はもちろん、珠の汗(ぽたぽた落ちる汗)をかくときのために、塩分をしっかり摂ること。経口補水液を準備しておくことを勧めます。
確かに直射日光は避けられますが、作業場の多くは冷房施設が無いため高温多湿の環境です。
室内でも高温多湿の環境は、熱中症の危険性が高まります。水分補給をしっかりして、休憩をこまめにとりましょう。
水分を控えると、脱水による熱中症の危険性が高まります。特に女性は、携帯トイレなどを用意し、しっかり水分と塩分を摂取することをお勧めします。
確かに統計上は少ない数字が出ています。しかしながら、農業の現場は少人数で管理者がいない状況です。
トラクターの事故や心筋梗塞・脳卒中なども脱水による熱中症が原因になっている可能性が高いのです。
強い西日があたる場所では、作業を午前中に済ませる工夫や特に帽子をかぶったり首筋をタオルなどで日光から守ることはもちろん、水分と塩分をこまめに摂取することをお勧めします。
愛知医科大学客員教授
なごや労働衛生コンサルタント事務所長
エスエル医療グループ栄内科院長
名古屋市職員健康管理センター所長、名古屋市役所産業医、愛知医科大学産業保健科学センター助教授などを歴任し、現在は愛知医科大学客員教授、なごや労働衛生コンサルタント事務所長、エスエル医療グループ栄内科院長を務める。医学博士、労働衛生コンサルタント(保健衛生・厚生労働省)、日本産業衛生学会指導医、日本医師会認定産業医。共著に平成25年4月発刊の「産業保健マニュアル」(南山堂:共著)などがある。
更新日:2019/07/16