熱中症と脱水症に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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Q6:中村先生は、日医ジョガーズ*を通じて、レース中の救護医となるランニン グドクターとしてさまざまなレースにも参加されています。救護医として、 ランニングをする方々へお伝えしたいことはありますか?

A6. 経口補水液はマラソンなどの大量の汗をかくシーンには有用です。

マラソンイベントで活動中の中村先生

日医ジョガーズのランニングドクターとして救護医としての参加時には必ず経口補水液を携行し、脱水状態に陥ってしまったランナーに対処しています。今までは脱水で倒れているランナーがいたら、救急車で病院か救護所へ運び点滴をすることが多かったのですが、飲むことができるようであれば(意識障害がなく軽度から中等度までの脱水状態の場合)、経口補水液で回復することが多くなり不要な救急搬送が減りました。意識がもうろうとしている方もいらっしゃるので誤嚥(ごえん)を防ぐためにもゼリータイプを携行するのが良いかと思います。

米国心臓医学会の発表にもありますが、マラソンなどの大会の現場には、ランナーの体調管理や緊急時の救護体制などの指針が明確ではありません。日本も同様です。日医ジョガーズとして、近年、ランナーと一緒に走っていち早く救護活動をする認定ランニングドクターなどを育成し、なるべく多くのレースで脱水や心肺停止などのリスクへの対応を進めていますが、まだ十分ではありません。

ランナーとしてレースに出場する場合は、そのレースに応じた練習を行い、水分補給やウェアの選考なども含めてレースプランをたて、レース前の補水や場合によっては経口補水液を携行するなど対策を怠らないこと。そうした予防や対策が、安心してランニングを楽しむことにつながると思います。

また、中高齢者では、負荷をかけることにより自分では気がつかない心臓病が悪化して心肺停止になるリスクもありますので、レース前に一度専門医のチェックを受けることは絶対に必要だと覚えていてください。

JMJA日医ジョガーズ

生涯スポーツを実践し啓発する、動ける医師たちの団体

*日医ジョガーズの活動とは

正式には、日本医師ジョガーズ連盟 JMJA (Japan Medical Joggers Association)全国組織としては1983年(昭和58年)に結成。人々に健康のため生涯スポーツが必要で有ることを伝えるために医師自らが運動を実践。「遅いあなたが主役です」なる言葉を掲げ、競争として速く走るよりもマイペースで遅く走ることを勧めている。

活動としては、JMJAとして1年に1回全国大会を各地で主催し、ジョギング大会や親睦会、講演会を開催。各種イベントを開催することで生涯スポーツの必要性を説き、 日常的持久運動習慣の意識拡大を図るとともに、医師の団体であることから、各地で開催されているマラソン大会の医療活動を援助して、大会運営に貢献。ランニングドクターの育成にもチカラを入れている。

1999年、平成11年7月にはNPO法人に認定され、 活動の場はさらに広がり、海外のランニング組織との交流もおこなっている。

日本医師ジョガーズ連盟 http://www.jmja.or.jp/

集クリニック 院長
NPO法人日医ジョガーズ連盟(JMJA)理事
医学博士

中村 集(なかむら・しゅう)

集クリニック院長。1980年、東邦大学医学部卒業後、同大橋病院第3外科、同佐倉病院勤務後、一宮温泉病院(山梨県)にて外科診療、訪問診療などの地域医療、回復期リハビリテーション医療に従事。2008年より杉並区で集クリニック開設。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本消化器病学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。各地のマラソン大会で医療活動を援助するNPO法人日本医師ジョガーズ連盟(JMJA)会員。

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Q5:日頃の食生活でも、ランナーの脱水対策につながることがありますか?

更新日:2014/10/27

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