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レース中、どのような水分補給を指導されていますか?

経口補水液をウォーターポケットに入れている日医ジョガーズの方

走り方や体型などの個人差、環境的な条件によって、ランニング中に必要な給水量は若干異なりますが、おおむね1時間当たり400~800mlが目安です。ほとんどの大会では5km毎に給水ポイントがあるので、市民ランナーでは給水所のカップ半分以上(100~150ml)、気温が高い時はやや多めにとりましょう。汗をたくさんかくようなときは水分だけではなく、電解質(特にナトリウム)と糖分の補給が必要であり、一般のスポーツドリンクよりも塩分を約2倍、糖分を1/2に調整した経口補水液(OS-1など)が有用です。

また、最近こまめに水分を摂るようにアナウンスされることが多いですが、水分(電解質を含まない)の摂りすぎは水中毒となり、肺水腫、脳浮腫から死に至ることもあり注意が必要です。「のどが渇く前に飲む」から「のどが渇いてから直ぐ飲む」が良いというのが最近の知見です。ただし、直ぐ飲まないと脱水の危険があります。

レース中は、日医ジョガーズ会員は全員がランニングドクター。10キロ走部門では、ときおり、声がけをしながら走者にあわせてゆっくりと走る姿が。ハーフマラソンの部門では、先頭集団に並走するトップクラスのドクターの姿も。

「みんな走るのが好きで普段からトレーニングしている人ばかり。中には、フルマラソンの招待選手並みの記録をもつ方もいます」と中村先生が語っていたことを思い出すシーンです。それぞれのドクターは、自分のレーススピードを保ちつつ、そのクラスのスピードのランナーたちを受け持つかのごとく、周囲に注意しながら走っているようでした。

レース後、中村先生に、聞きました

今日の感想を聞かせてください

幸いなことに、レースの開始時刻当たりから雲が出て涼しくなりました。天候でリスクは大きく変わるのです。今日レース中の搬送者は一人も出なかったし、数人が軽い脱水状態や疲れから救護室で横になられた程度でした。僕が声をかけたランナーも一人だけ、それもすぐに大丈夫という返事でした。搬送者がいないというのはなにより。ランニングドクターの活躍はあまりありませんでしたが、楽しく走って終われる今日のような日が一番なんです。

中村先生

救護室で活動する日医ジョガーズの方々

ゴールした後、気をつけておくべき点などありますか?

「ゴール後のビールが楽しみ」と言って、ゴール手前の給水ポイントで給水が必要な状態でも給水せず、ゴール後直ぐにアルコールを飲むランナーがまだいます。脱水を助長するだけではなく、肝臓への負担も多いため控えてほしい。走り終わってまず水分補給をおこなった後にしましょう。

また、筋肉痛を残さないようにするためには、ゴール後30分以内(成長ホルモンがたくさん出ている時間)に良質のたんぱく質を摂るといいです。さらにストレッチング、アイシングも効果的です。

「いまランニングは流行しています。しかし、市民マラソンなどに、ろくに練習をしないで参加する人がいるのは困ったものです。ランニングは生涯スポーツとしてカラダにも良いものですが、ランナーとしてレースに出場する場合は、そのレースに応じた練習をおこない、事前の体調管理や当日の給水所の確認など対策を怠らないこと。普段から、肉、魚、卵、大豆などのたんぱく質をしっかり摂取するよう心がけ、脱水対策として、朝食はもとより、規則正しい食事で水分と電解質を摂るようにしたいですね」

そうした予防や対策が、安心してランニングを楽しむことにつながる、と中村先生。また、何回もレースに出ているからと体力を過信せず、定期的な健康診断はおこたらず、当日体調が悪いときは無理は絶対にしない。たとえ楽しみにしていたレースでも、スタートしないことや、スタートしても不調を感じたら途中でやめる勇気を持ってほしい、と語っていました。

ぞくぞくとゴールするランナーたち。ひととき、その最後のランナーを確認した後、中村先生たちランニングドクターの、日医ジョガーズの黄色いビブスを脱ぐ姿がありました。

集クリニック 院長
NPO法人日医ジョガーズ連盟(JMJA)理事
医学博士

中村 集(なかむら・しゅう)

集クリニック院長。1980年、東邦大学医学部卒業後、同大橋病院第3外科、同佐倉病院勤務後、一宮温泉病院(山梨県)にて外科診療、訪問診療などの地域医療、回復期リハビリテーション医療に従事。2008年より杉並区で集クリニック開設。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。日本消化器病学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。各地のマラソン大会で医療活動を援助するNPO法人日本医師ジョガーズ連盟(JMJA)会員。

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走行中、ランニングドクターとして、ランナーの何に注意を払っていますか?

更新日:2016/12/06

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