熱中症と脱水症に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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旅行者は下痢しやすい

途上国だと特有の疾患もありますし、発熱や下痢症も多い。下痢は水分と共に電解質を著しく失う脱水状態につながります。一般的に、感染症でなくとも、環境の変化や不慣れな食事などから、渡航中に下痢を起こす人はとても多いため、旅行者下痢症という名称で注意喚起がなされています。(病名ではない、症候群みたいなもの)

問題は、途上国の場合、「安全な水」がどこにでもあるというわけではないということ。昔はホテルの水でも、飲んだら下痢をすることがありました。最近はコンビニが何処にでもあって安全なミネラルウォーターが買え、ずいぶんよくなってきていますが、それでも途上国では都心を離れると、路端の屋台で売っているような水しかないことがあります。こういう露店は避けたほうが無難。たとえボトルに入っているミネラルウォーターでも避けたほうがいいでしょう。水道水をボトルに入れてミネラルウォーターといって売っている場合もあります。やむを得ず購入する「水」ならガス入りのほうが安心です。

「そこのトイレ、綺麗ですか?」が脱水につながる

水分摂取を我慢してしまう要因として、移動中にトイレが探せないこともあります。欧米でも、都心を離れると本当にいきなり片田舎になることが多いのです。トイレに行けない環境で、しかも、やっとトイレを探し当ててても、日本人の感覚だと衛生面から、ちょっと無理、と感じることが多々あります。高齢者や女性はとくに目的地のホテルやゴルフ場までトイレを我慢するために、水分を我慢してしまうのです。そういうトイレから脱水への連鎖が旅のベースにあるのです。

渡航の脱水対策

(機内での脱水対策)

  • 機内での水分補給 1時間に100mL(体重1kgあたり2mL)
  • トイレを我慢しない
  • 食事を摂る
  • 飲酒を控える

(旅先での脱水対策)

  • 安心できるミネラルウォーターなど「水」の常備
  • 経口補水液(パウダー、ゼリーなど)の携帯
  • トイレの確保と飲酒機会での水分補給

経口補水液を側に置く。これが旅の新習慣

更新日:2017/07/22

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