日本サッカー協会は、なぜ高度な熱中症対策を実践できているのか?

公益財団法人日本サッカー協会(以下、日本サッカー協会)は、2016年3月に、大会/試合スケジュールの規制などの事前の準備、当日の対応などからなる「熱中症対策ガイドライン」を発表しました。これは他の多くのスポーツ競技団体に先んじるもので、WBGT(暑さ指数)を基準とした事前対策や、試合場の環境、観客の熱中症対策までを考慮した内容は、今後の日本の各種スポーツでの対策強化を牽引するものになると思われます。
かくれ脱水ジャーナルは、現在、U-15のサッカー日本代表チームドクターとしても活躍される立教大学教授 加藤晴康先生に、ガイドライン制作の裏側やその実践を支えるサッカー界の環境についてインタビュー。加藤先生は日本サッカー協会の育成世代への指導要領作りに長く携わり、熱中症対策ガイドライン作成にも深く関わられました。組織のシステム全体で選手を守ろうという姿勢、現場の意識改革を支える仕組みなどは、多くの学校関係者やスポーツの指導者の方へ、熱中症に向き合う基本姿勢として、とても参考になるものです。
立教大学コミュニティ福祉学部 スポーツウエルネス学科教授 整形外科医 医学博士
日本サッカー協会 医学委員, サッカー日本代表 帯同ドクター(2019)加藤晴康