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日本サッカー協会・前田弘チーフアスレティックトレーナーに学ぶスポーツにおける脱水対策

サッカーというスポーツでは、早くから選手たちのパフォーマンスを維持し、支えるための身体のケア、熱中症などへの対策を指導する文化が育ち、その内容も年々最新のものへ改善され続けています。

公益財団法人日本サッカー協会(以下、日本サッカー協会)の身体面を支えるトップ、前田弘チーフアスレティックトレーナー(以下前田氏)に、現在、日本のサッカーにおいて大切にしている身体のケア、脱水対策のポイントなどについて聞きました。 監修:公益財団法人 日本サッカー協会 チーフアスレティックトレーナー スポーツ医学委員会 委員 前田弘

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日本サッカー協会・前田弘チーフアスレティックトレーナーに学ぶ「スポーツにおける脱水対策」

セルフケアという意識の習慣化が、身体とプレイの質をあげる

前田氏が日本サッカー協会として大切に啓発しているのは、3つの取り組み

  • 栄養は食事から、水分は信頼性の高い飲み物から
  • セルフケアのために、体重減少量(脱水量)など、身体の変化を自分で知ること
  • 指導者がスポーツ救命を知る

セルフケアという意識の習慣化が、身体とプレイの質をあげる

公益財団法人日本サッカー協会(以下、日本サッカー協会)は、他のスポーツ協会に先駆け2016年に「熱中症対策ガイドライン」を発表。暑い日のクーリングブレイクタイム導入や、WBGTを測り、試合をやってはいけない時間帯を設定するなど、その先進の内容は多くのスポーツ関係者を唸らせ影響を与えました。

その作成に参加し、現在のサッカーにおいて、トップチームから育成世代までの身体のケアを指導し支えているのが前田氏。氏は、脱水対策も含めて、「セルフケア、セルフコントロール意識を習慣化していくことが、スポーツにおけるプレイの質も向上させる」と語ります。

①栄養は食事から、水分は信頼性の高い飲み物から

近年のドーピング問題を考え、徹底してサプリメントを使わないようにするため、育成世代から食事の大切さを教えるとともに、2017年には協会内に栄養サポート部会を新たに設け指導を強化。

「育成世代から食事の重要性を指導し、サプリメントに頼らず食品で栄養摂取。加えて、練習や試合で大量に汗をかいた時の水分補給は、消費者庁の許可を受けた経口補水液のように信頼性の高い飲料を選んで摂るように指導しています」とのこと。

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②セルフケアのために、体重減少量(脱水量)など、身体の変化を自分で知ること

更新日:2019/07/01

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