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前田氏によると、トップ選手だけでなく、育成世代から、練習・試合前後に身体の変化を記録するように指導しているそうです。
「トップ選手は、起床時、練習や試合の前後に、体水分量体重、尿の色、体温、筋肉疲労度などを計測し、体重減少量(脱水量)に応じた経口補水液などによる速やかな水分・塩分の補給、疲労回復を促すアイスバスなど、個々にケアしていきます」。
そうしたことが、「普段の意識として日々の生活の中に溶け込んでいくことが、サッカーに限らずスポーツをする上で大切なこと」だと前田氏。
日本サッカー協会の新たな取り組みとして2017年に「スポーツ救命ライセンス講習会」も実施しています。
「心肺機能の異常、脳震盪(のうしんとう)への対処、熱中症や脱水症への対策と対処などを、協会の様々なカテゴリーのトレーナーや職員、サッカーに携わる人たちが協会からのライセンスを受けています。これは、選手だけでなく、オフザピッチでも対応できるようにするため。生命を守れるのは自分だという気持ちが大切。
2016年に発表したガイドラインを守りつつ、すべてのサッカー関係者はわれわれのファミリー。彼らの命を守らなければいけないのです」と前田氏は、日本サッカー協会の、スポーツをする人への姿勢を語ってくれました。
公益財団法人 日本サッカー協会
チーフアスレティックトレーナー
スポーツ医学委員会 委員
更新日:2019/07/01