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より速くなるために オリンピアンの脱水対策

より速くなるために オリンピアンの脱水対策

女性トップアスリートは、いかにしてレースに臨むのか?長く生活や食事改善の観点からアスリートにアドバイスを与えてきた医学博士・本田由佳先生は、トップアスリートのパフォーマンスを支えるものの1つに、脱水対策があると言います。

日本代表としてリオオリンピックにも出場したプロサイクリスト・與那嶺恵理さんも、そのアドバイスを受ける一人。トップアスリートは、いかにして自分に合った脱水対策を行いパフォーマンス向上につなげているのか、お二人に答えていただきました。 監修:医学博士 本田由佳 お相手:リオオリンピック・自転車女子ロードレース日本代表 與那嶺恵理

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より速くなるために オリンピアンの脱水対策

與那嶺さんの、一番の悩みはレース前後の頻尿だった?

與那嶺:私、レース中じゃなくてもすごい頻尿で、普通の水を飲むと、1日のトイレに行く回数がすごく増えるんです。ロードレースでは、競技時間がだいたい4時間。その間ずっとロードバイクに乗っています。

で、トイレに行くのも、特にトイレのために降りるわけじゃなくて、乗ったままで済ますことも多いのですが、やはり尿意は困ります。かといってトイレを我慢するために、水分を摂らないと脱水になり、パフォーマンスが極端に落ちますし、昨年の世界戦でも、男子の選手がロードレース中に脱水になり、急に痙攣を起こした選手もいました。水分コントロールはロードレースではとても大切なのです。

本田先生は、脱水との関連を考えた?

本田:事前に、恵理さんの血液データを泌尿器科の先生にお伝えしたら、腎機能は悪くありませんでしたので、栄養学的な面からのアプローチを考えてみることが必要かなと思いました。

ロードレーサーの場合、長時間のトレーニングやレースで、汗と一緒にマグネシウムやカリウム、ナトリウムなどのミネラルが多く出てしまいます。脱水に対しては水分とミネラルの補給が必要なのですが、同時に、身体の機能を調整したり、筋肉や骨を作るたんぱく代謝に関わったりと、いろんな意味でマグネシウム・カリウム・ナトリウムは大事なのです。

例えばミネラルのうち、マグネシウムやカリウムは、女性の機能を維持するのにも大事。それが慢性的に不足することは、女性アスリートのコンディショニング低下につながる可能性もあるので、避けたいことなのです。

その改善方法はシンプルな脱水対策、大きな発見でもあった?

更新日:2019/07/05

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