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「脱水視線」で暮らしを考えてみました 脱水生活百科

この数年、夏を重ねるごとに「熱中症」へつながる「脱水症」について社会の意識が高まっています。そして秋や冬には、ノロウイルスやロタウイルス感染性胃腸炎による下痢やおう吐時の脱水対処が認知されてきています。

同時に、「脱水」が、わたしたちのカラダに流れる体液のさまざまな機能を低下させ、本来持っている免疫力を弱め、生命に関わるさまざまな病状を発生させることも多くのメディアが伝えています。

いま、わたしたちの暮らしは、「脱水」への対処とともにあるといっても過言ではありません。

そして症状が出る前のちょっとした脱水=「かくれ脱水」は、実はもっと生活のいろいろなシーンで頻繁に起こっていることにも気づき始めています。

生活を「脱水視線」で見つめ直し、生活習慣の中で「脱水」を位置づけてみようと、かくれ脱水ジャーナルは考えました。

とりあえずこの時期に役立つものから。新しい習慣を生み出すための暮らしの手引きとして、役立てていただきたいと思っています。 監修:下田内科クリニック院長 医学博士 下田 敦

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「脱水視線」で暮らしを考えてみました 脱水生活百科

①自宅での下痢やおう吐。脱水対処の習慣を

◎水分をどう選ぶか

症状 スポーツ飲料 経口補水液
1~2回の下痢・おう吐
1時間に2〜3回下痢・おう吐が続く ×

※おう吐や下痢に赤や黒いものが混じっている場合は出血を起こしている可能性がありますので、早めに医療機関へ行きましょう。

冬のノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎に限らず、ちょっと食べ合わせが悪かったときも下痢・おう吐は起こります。すると、便汁や胃液として大量の体液が失われます。そこには電解質が大量に含まれています。

失われる電解質のうち、ナトリウム(Na)は体液の循環に重要な役割を果たし、カリウム(K)は神経や筋肉の興奮・伝達・収縮に作用するなど、人間が生きていく上で重要な役割を持っています。

そんなときにお湯やお茶などで水分だけを摂ると、失われて少なくなっている電解質濃度がさらに下がります。人のカラダは体液中の電解質の濃度を一定に保とうとする働きがありますから、失われたまま少なくなっている電解質に合わせて濃度を調整しようと尿として水分を排出するので、結果として脱水を助長させることになってしまうのです。

ですから、下痢やおう吐が起こった際には水分とともにナトリウムやカリウムといった電解質を適度に補給することが大切になります。

とくにカリウムは、一般的に体液中の正常値が3.5mEq/L〜5mEq/Lという非常に狭い範囲で調整されていて、保つのが難しい電解質。不足すると、神経系が興奮し、手足がしびれたり、不整脈が多くなったりし、脱水症の症状が悪い方向へいってしまうことがあります。

体調を崩して下痢やおう吐をする場合は、できるだけ早く、スポーツ飲料や経口補水液などを飲んで、電解質を補ってください。

スポーツドリンクや経口補水液には少量の糖分が含まれていますが、それは腸での水分吸収を高める重要な役割を果たしていることも知っておいてください。

②朝は脱水状態です。朝食抜きは脱水を助長します

更新日:2019/07/01

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