熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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④カラダは4時間しか水分を貯めない、長寝や夜更かしも脱水を生む?

長く寝ていると二日酔いと同じようなケトン体が出ます。若い人で、激しいスポーツの後に疲れてしまって12時間以上寝る人もいるようです。その結果、朝起きたとき、下痢・おう吐までいかないけれど、気持ち悪い、頭が痛いと通院してきた大学生がいて、調べるとやはりケトン体が尿から検出されました。

そういう場合は、まず脱水状態を疑い、頭痛薬を飲むより、経口補水液のようなものを摂ってカラダの循環を良くするように指導します。ケトン体をまず消したほうがいいですよと。

人間は4時間ぐらいしかカラダに水分などを貯めておくことができないといわれています。理想は、4時間に1回ぐらいは目覚め、トイレに行くときにスポーツ飲料とか経口補水液で水分と電解質そして少しの糖分を摂ったほうがいいのです。

一般的に8時間の睡眠を取るとして、寝る前に1回飲んで、夜中に1回トイレに起きて1回飲む、朝起きがけにまた飲むというぐらいがいいのですね。とくに高齢者は、そういう日常的な生活の工夫で体調の管理をする習慣をつけて欲しいと思います。

深夜遅くまで起きているのも、「脱水視線」ではお勧めできません。そこではもう脱水が準備されているのですから。眠れないで本などを読んでいるときは経口補水液をちびちび摂っていると、脱水は改善します。カリウムも入るから、リラックスできてよく眠れるかもしれないと覚えましょう。

⑤下痢は止めない。熱は下げないという習慣へ

以前、O-157による出血性大腸炎が発生したときに、下痢止めを処方された患者さんが重篤化したというケースがありました。そのときに厚労省は医師に向けて、感染性大腸炎が疑われるときには下痢を止めないで処置をするよう通達を出しています。

下痢は、身体に入った菌などを体外に出そうとしている状態です。ですから、無理に止めてしまうと、菌が身体に留まってしまいます。一方下痢を止めないと脱水になってしまいますから、その脱水を改善する方向で治療しなさいということ。失われた水分や電解質を摂って補うという発想転換です。

風邪のときの発熱も似た考えがあります。インフルエンザのようなウイルスがカラダに入るとリンパ球や白血球が体を十分に巡って、カラダは熱を上げ、免疫反応でウイルスを排除する。無理矢理解熱剤とかで熱を下げると、その免疫反応を妨げることになります。一方熱を下げなければ脱水が進むわけですが、熱を下げない状態で脱水が進まなければ、一番いいわけです。

だから、最近、医療の現場では解熱剤を使わずに経口補水液をどんどん使ったほうがいいとされています。発熱の場合、85%ぐらいがウイルス性の感染だから、免疫力が排除しようとしていることを邪魔しないほうがいいだろうということです。

注意しなければいけないのは、2次感染とか肺炎の場合には、やはりすぐ抗生剤を使わないといけません。そうなる前に、ウイルス感染であっても、脱水状態をあまり起こさないよう保ちながら、自分の免疫力で排除できる状況に持っていくことなのです。

「37.5度なら脱水を防げば治せる?」

小児の場合、罹患すると反応が激しいから、すぐ熱が出て、しかも容態は急変します。そうならないように、保護者が様子を見て普段よりもちょっと元気がないなと思ったら、すぐ熱を計ることは大切です。でも慌てないでください。37度5分ぐらいまでの熱は、脱水でも出るのです。特に小児はそうです。

また、在宅医療を受けている高齢者もしょっちゅう37度5分ぐらいの熱があります。そういうときに、すぐ解熱剤とか抗生剤を使うのではなく、食事量を見てください。

するといつもより減っていることが多い。食事が入らないということは、カラダの中で食事が消化されて、代謝されるときに出る代謝水が減少していること。脱水の症状として熱が出ているのです。まず、経口補水液を飲ませて、状態を見ましょう。それだけで改善することがあるのです。

普段から脱水を防ぐということは、免疫の働きを十分に働かせることにつながることを知っておきたいですね。

⑥26度。脱水をコントロールできる環境温度

更新日:2019/07/01

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