熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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⑥26度。脱水をコントロールできる環境温度

現在は、住宅事情がよくなり、高気密な住宅に住むようになりました。気候変動のこともあり、在宅医療でご自宅へ診療に行くと、夏の西日が当たっている部屋におじいちゃん、おばあちゃんがいらっしゃって、室温を見ると38度とか40度だったりします。少し昔だったら、風通しのいい部屋で、窓の隙間から風が抜け、西日が当たっていても、そんなに室温は上がらなかったと思います。

本来は住宅事情の変化で過ごしやすい住宅になっているはずなのに、逆に子どもや高齢者が脱水になっている現状があります。エアコンをつけていても、エコのために夏は28度にしなさい、冬は20度と言われています。そうすると、脱水になりやすいのです。

「脱水視線」では、国が推奨する室温はかえって良くないのかもしれません。28度の部屋にいると、多くの人は汗をかきます。冬の20度は緊張する。

実は、1年中大体26度ぐらいが一番いいんです。あまり汗をかかないので、汗による水分出入りも少ない。そんなに寒くも感じないので神経系にもいい。エアコンの風を直接カラダに当てないよう水平に出るようにして、サーキュレーターや扇風機などで暖かさを部屋全体に行き渡らせればカラダにもやさしい。子どもや高齢者のいるご家庭は無理無く過ごして欲しいものです。

⑦大切なのは体液の循環。ストレスと脱水の関係を知っておく

「脱水視線」ではカラダの体液循環を見ます。たとえばストレスは、ある意味、高度な精神の緊張状態。心拍数も上がりますし、脈拍や体温も上がってくる。ちょっと疲れやすい状態です。

胃腸にきて下痢をしたら脱水ですが、そこまでいかなくともハァハァと呼吸回数が増え、呼気で失われる水分も結構多くなります。脱水気味になるわけです。

喉、気道も渇いてきますから菌やウイルスからも狙われやすくなり、炎症をひき起こします。だから、ストレスがあると、それ自体は重い病気じゃないのですが、脱水症や炎症につながりやすいのです。

ストレスになると緊張しますから血管は収縮します。白血球やリンパ球の流れも悪くなる。この緊張状態は、いろんな病気を呼び込む状態をわざとつくっているのかもしれません。

リラックスするために吸う息よりも吐く息を長くする呼吸法をおこない、体液の循環を促すために、水分と電解質そして糖質をバランスよく含んだ経口補水液を摂るといいと思います。

「食べ過ぎは、カラダの循環に悪影響」

食べ過ぎると血液が、胃、腸、肝臓などの消化管に集まります。カラダ全体の循環を考えるとき、眠気が出たり、高血糖が起こったり、脂質異常症のリスクが増したり‥‥末梢(まっしょう)は脱水状態に近い状態になります。

そういうときに、循環を考えて欲しい。経口補水液を少し摂り、食べ過ぎによって消化管に集中している血液の流れを、なるべく末梢まで戻すようにしましょう。「脱水視線」では、食事は3食をバランスよく、腹7分目にしておくことです。

下田先生からひとこと

日常の中に潜んでるちょっとした脱水、脱水の前状態=かくれ脱水は、様々な生活シーンでいつも起こっていると思います。軽い発汗程度であれば、普通のスポーツ飲料、ちょっと激しい汗とか、おう吐、下痢っぽい状態があれば経口補水液と、使い分けていけばいいと思います。そうしていけば、さらに悪くなる状態を食い止めることができる。

薬を飲めばいいじゃないかという人はまた別だけれど、なるべく薬を使わないような生活をしたいと思うなら、まず「脱水視線」から見た予防を、これからの生活習慣として考えていかれたらいいんじゃないかと思います。

脱水は、脳や心臓の血管にも関わってきます。非常に怖いものです。だから、カラダの循環を助け是正する意味でも、経口補水液は非常に大事な生活のツールだと思います。上手に活用してください。

下田内科クリニック院長 医学博士

下田 敦(しもだ・あつし)

米国国立衛生研究所(NIH) 肝炎ウイルス部門客員教授 金沢大学第一内科講師 金沢赤十字病院内科部長 内視鏡センター長を歴任

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「37.5度なら脱水を防げば治せる?」

更新日:2019/07/01

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