私たちは、感染性胃腸炎からくる脱水の危険性と、正しい対処法をお伝えします。

冬脱水SOS

かくれ脱水JOURNAL

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Q & A 宋美玄先生に聞く、 妊婦のための水分補給と脱水対策

妊娠すると妊婦の身体の中ではさまざまな変化がおこり、普段より多くの水分を必要とします。その影響から、実は妊娠中の身体は脱水リスクが高い身体に変化するともいえます。

妊婦は脱水症になりやすい。かくれ脱水ジャーナルは、その視点で、妊婦と脱水の深い関係について宋 美玄 先生にお聞きしました。すると妊娠中の体調不良の原因や対処方法もみえてきました。 産婦人科医 性科学者 宋 美玄(そん みひょん)

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妊婦の脱水 リスク篇

妊婦の脱水 対策篇

妊娠時の脱水要因

  • ・つわり(おう吐・食欲減退・水分摂取不足)
  • ・新陳代謝の増加(体温上昇・汗)
  • ・頻尿(水分摂取を控える)

妊娠時の脱水による基本的症状

  • ・脱水症の症状(めまい・食欲減退・手足のしびれ・こむらがえり など)
  • ・便秘
  • ・むくみ

妊婦の脱水 リスク篇

Q1 宋先生、おう吐や食欲不振、妊娠中のいちばんの悩みともいえる「つわり」と脱水の関係について教えてください?

A1 大切な赤ちゃんを育てるための身体の変化が「つわり」を。その症状によっては、脱水を助長します。

冬のノロウイルスやロタウイルスによる感染性胃腸炎に限らず、ちょっと食べ合わせが悪かったときも下痢・おう吐は起こります。すると、便汁や胃液として大量の体液が失われます。そこには電解質が大量に含まれています。

失われる電解質のうち、ナトリウム(Na)は体液の循環に重要な役割を果たし、カリウム(K)は神経や筋肉の興奮・伝達・収縮に作用するなど、人間が生きていく上で重要な役割を持っています。

そんなときにお湯やお茶などで水分だけを摂ると、失われて少なくなっている電解質濃度がさらに下がります。

人のカラダは体液中の電解質の濃度を一定に保とうとする働きがありますから、失われたまま少なくなっている電解質に合わせて濃度を調整しようと尿として水分を排出するので、結果として脱水を助長させることになってしまうのです。

ですから、下痢やおう吐が起こった際には水分とともにナトリウムやカリウムといった電解質を適度に補給することが大切になります。とくにカリウムは、一般的に体液中の正常値が3.5mEq/L〜5mEq/Lという非常に狭い範囲で調整されていて、保つのが難しい電解質。不足すると、神経系が興奮し、手足がしびれたり、不整脈が多くなったりし、脱水症の症状が悪い方向へいってしまうことがあります。

体調を崩して下痢やおう吐をする場合は、できるだけ早く、スポーツ飲料や経口補水液などを飲んで、電解質を補ってください。スポーツドリンクや経口補水液には少量の糖分が含まれていますが、それは腸での水分吸収を高める重要な役割を果たしていることも知っておいてください。

つわりの症状は妊婦によって本当に多様で、医学用語ではないのですが代表的なものに、「食べづわり」といって、胃が空っぽになると気持ち悪いからずっと食べていることや、よだれがどんどん湧いてくる「よだれづわり」、とにかくおう吐する「吐きづわり」もあります。

「よだれづわり」や「吐きづわり」は、体液を大量に出すのですから、水分と電解質を失う脱水状態になるということです。しかも困ったことに、妊娠初期には、吐いた後に水分を摂りたくとも口から思うように摂れない人も多いのです。私の経験では、つわりが重い妊婦の傾向として、水分を摂れていないということが上げられます。

*女性の月経には脳下垂体から分泌されるゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の働きが深く関わっています。ゴナドトロピンには、「卵胞刺激ホルモン(FSH)」と「黄体形成ホルモン(LH)」という2つの女性ホルモンがあって、卵胞刺激ホルモンは卵胞の発育・成熟を促すエストロゲンをつくり、黄体形成ホルモンは排卵を誘発するなど排卵に至るまでのプロセスで重要な役割を果たすプロゲステロンの生成を促進します。このプロゲステロンが妊婦の脱水と様々に関係してきます。妊娠し胎盤が完成するまでの初期は、プロゲステロンが出て妊娠を維持するのですが、そのせいでつわりが起こるといわれています。

Q2 妊娠中は汗をかきやすいって本当ですか?

更新日:2019/07/01

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