私たちは、深刻な脱水状態を防ぐことで、熱中症で搬送される人をゼロにしたい。

STOP 熱中症 教えて!「かくれ脱水」委員会

かくれ脱水JOURNAL

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谷口副委員長からの提言:「2020年は、マスク着用・外出自粛で、熱中症リスクが増大しています」

新型コロナウイルスの影響で、2020年はマスクを着用する機会が増え、熱中症リスクが高まっています。教えて!「かくれ脱水」委員会の谷口英喜副委員長から、マスク着用時の熱中症リスクと、熱中症に気づいたときの対策についての提言です。 監修:済生会横浜市東部病院 患者支援センター長 兼栄養部部長 谷口英喜

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巷に言われている「マスク熱中症」って何?

マスクを着用した外出、ジョッギングなどのスポーツなど、日常生活そのものに、大きなリスクが潜んでしまいました。

コロナ禍において、常日頃マスクをつけて過ごしていることで、口腔内に熱がこもりやすくなっているのです。

また、マスクをしたままだと、人は口渇の鈍化(1マスク内の湿度があがっていることで喉の渇きを感じづらくなる)傾向になります。もともと喉の渇きに気づきづらい高齢者がますます気づきづらくなり、知らないうちに脱水が進み、熱中症となってしまうリスクも高まると考えられます。

マスクを外してはいけないという思いがあり、気づかないうちに水分補給を避けてしまうことも脱水を進行させる一因になりえるでしょう。

マスクにこもる熱対策として、大手アパレルメーカーなどが発売している、吸汗速乾性のある素材や、マスク内の温度上昇を抑える素材を使った「夏用マスク」を併用するのも良いかもしれません。

熱中症を疑ったら…軽度の時点で『経口補水療法』を開始することが重要

もしも熱中症が疑われる場合は、下記を実行しましょう。

① 涼しい場所に移動させる (日陰やクーラーの効いている場所)

② 身体を冷却する
衣服を脱がせたり、きついベルトやネクタイ、下着はゆるめる。露出させた皮膚に冷水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐのも有効。氷のうなどは、首の両脇、脇の下、大腿の付け根の前面に当てて皮膚のすぐ近くにある太い血管を冷やす。

軽度であれば、冷たく冷やしたペットボトルを握って冷やすことも効果的です。

③ 意識がはっきりしているなら、経口補水液を飲ませる。=経口補水療法。
経口補水液は、脱水によって失った水分と塩分などの電解質を素早く身体に取り入れ、保持してくれるもの。めまいや立ちくらみ、こむら返り、あるいは大量発汗など、熱中症のⅠ度の症状を感じたら、経口補水液を躊躇なく摂るべきです。(参考;頭痛は、熱中症のⅡ度に分類されています。)

摂り方のルール(経口補水療法)は、まず50〜150ml程度をゆっくり飲んで、1〜2分間して、さらに50〜150mlをゆっくり自然に飲む感じ、その繰り返しで、症状が治れば危機は脱出です。

でも、この猛暑の最中なら、普段健康な人であれば、脱水状態によって身体が楽に感じるまで飲んでも構いません。

「呼び掛けや刺激に対する反応がおかしい」、「応えない(意識障害がある)」時には誤って水分が気道に流れ込む可能性があるため、無理に飲ませない。「吐き気を訴える」または「吐く」場合、口からの水分摂取は適切ではないため、医療機関での点滴等の処置が必要。)

済生会横浜市東部病院
患者支援センター長
兼栄養部部長

谷口英喜(たにぐち・ひでき)

専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。学位論文は「経口補水療法を応用した術前体液管理に関する研究」。
著書「熱中症・脱水症に役立つ 経口補水療法ハンドブック 改訂版」
ブログ「谷口ゼミ通信」

更新日:2020/06/11

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