熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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私たちの身体はいつもの年より熱中症に弱い身体になっている 教えて!「かくれ脱水」委員会

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一年以上に及ぶ自粛生活が、私たちの身体に大きな影響を及ぼしています。そのひとつが筋肉の減少。

例えば、人はベッド上で安静にしている場合、一日に0.5%、成人でも0.4%筋肉が減少し、50%の運動量の減少でも0.2%程度が減少することがわかっています(*1)。

また、加齢によっても筋肉量は減少し、20代をピークに毎年0.5%程度のペースで筋肉は減っていきます(*2)。

筋肉は、カラダ全体の水分の約43%を蓄えてくれる水分貯蔵庫です(*3)。

筋肉の減少により、体内に蓄えられる水分量が減ってしまいます。つまり、今私たちは、今まで以上に脱水症、熱中症になるリスクが高い身体になってしまっていると考えられます。

私たちは外出自粛による活動量の低下、食欲減退、人とのコミュニケーション減少、感染リスクへの不安など、脱水を進行させる要因となる複合的なストレスの渦中にいます。

とくに加齢による筋肉の減少で身体の水分量が少なくなっている高齢者の脱水症、熱中症リスクは高まります。

筋肉量の減少によって筋力や身体機能が低下することを「サルコペニア」、要介護の一歩手前の筋力や活動が低下している状態(虚弱)を「フレイル」と呼びますが、筋肉量減少とストレスを抱えて脱水が進みやすくなっている身体は、それらのきっかけにもなります。

この夏、一挙に増加するのではないかとの警鐘も言われ始めました。

脱水しやすく、脱水に弱くなっている身体に、湿度の高い暑い日本の夏の日々がやってきます。それでも、私たちは思うのです。やれることはある。

  • 早い時期に暑さに慣れ、効率的な体温調節ができる身体になるため暑熱馴化を積極的に、すぐに始めましょう。
  • 運動する習慣をつけ、とくに下半身のエクササイズを生活習慣に加えしょう。
  • 今の時期から、たくさん汗をかいた時の水分補給には、水だけでなく必要な電解質も。 (脱水時には経口補水液を活用してほしい。)

2021年の身体は、脱水症・熱中症に弱くなっています。
運動習慣と正しい水分補給が、あなたと、そして医療の現場を守ると私たちは信じています。

教えて!「かくれ脱水」委員会 社会福祉法人 枚方療育園 医療福祉センター 
さくら 院長 
兵庫医科大学 特別招聘教授 医学博士 
服部益治

済生会横浜市東部病院 
患者支援センター長 兼 栄養部部長 
谷口英喜

専門委員一同

(*1)
1.Anabolic resistance assessed by oral stable isotope ingestion following bed rest in young and older adult volunteers: Relationships with changes in muscle mass.Clin Nutr. 2016
2.Metabolic adaptation to caloric restriction and subsequent refeeding: the Minnesota Starvation Experiment revisited The American Journal of Clinical Nutrition, Volume 102, Issue 4, October 2015, Pages 807–819
(*2)
出典:谷本芳美、渡辺美玲、河野令、広田千賀、高崎恭輔、河野公一、日本人筋肉量の加齢による特徴 日本老年医学2010:(47)52−57
(*3)
1) 吉川春寿 水と人体生理 体内の水分と水の機能 : 空気調和・衛生工学 1979 53 (7) p617-622.

更新日:2021/5/17

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