アドバイスA
現在は、“かくれ脱水”の危険は少ないです。
引き続き、規則正しい食生活を心がけましょう。
「かくれ脱水」の段階で、脱水症への進行を防止することが、これからの脱水対策です。
「かくれ脱水」は、脱水症の前段階。そのまま対処をせずにいると、下痢や嘔吐、発熱などの脱水を引き起こす要因が加わった時に、脱水症に容易に進行してしまう状態です。そのため、かくれ脱水の段階で早め早めに食生活の改善や、経口補水液を用いることなどの対処をすることで、正常域に、つまり健康な状態に戻すことが大切です。今回のチェックシートは、「かくれ脱水」状態にある方に特徴的な体の兆候(サイン)をチェックすることで、採血などによる侵襲をともなわずに「かくれ脱水」の可能性を調べることができるものです。「かくれ脱水」を見つけることで、脱水症に陥ってしまう前の段階での対処を可能にします。
図1 「かくれ脱水」の定義と正常状態および脱水症状態の関係
「血液所見では体液不足に伴い血清浸透圧が基準値よりも増加しているが、体液喪失を疑わせる自覚症状および他覚所見は認められない脱水症の前段階状態」を「かくれ脱水」と定義した。「かくれ脱水」は、放置しておけばなんらかの要因で脱水症に移行しやすい状態と位置づけ、食生活指導や経口補水療法などの介入治療により正常域に是正すべき状態である。
*血清浸透圧値の基準はICD-10に準ずる