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2021年の脱水症・熱中症リスクは筋肉がキーポイント! 早い時期での暑熱馴化!

新型コロナウイルス感染症対策のため長く続いた自粛生活は、高齢者だけでなく、中年層にまでアクティビティの低下を強いる結果になったと考えられます。アクティビティの低下は筋肉の質と量の低下につながります。筋肉の量が少なくなると、体内の水分貯蔵量に影響を来し、脱水症・熱中症のリスクを増やし兼ねません。コロナ禍以前にアクティブに行動していた人にこそ、より大きなリスクが潜んでいるかもしれません。今話題のロコモティブシンドロームにも関係し、今私たちが直面している脱水・熱中症リスクと、その予防法について、教えて!「かくれ脱水」委員会の富和清訓先生に聞きました。 監修:教えて!「かくれ脱水」委員会 委員 社会医療法人田北会 田北病院 整形外科 富和清訓

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2021年の脱水症・熱中症リスクは筋肉がキーポイント!早い時期での暑熱馴化!

自粛期間が長かった現在、カラダの水分貯蔵庫、筋肉が危うい!

自粛期間でのアクティビティの低下は、筋力や筋肉量の低下に大きな影響を来すと考えられます。実は筋肉組織は身体の水分貯蔵庫でもあります。全身の水分のうち筋肉組織に実に43.4%の水分を貯蔵しています1)。筋肉組織の76%は水分である1)一方で、脂肪組織では15%であり2)、いかに筋肉組織が水分の貯蔵庫になっているかが分かります。
1) 吉川春寿 水と人体生理 体内の水分と水の機能 : 空気調和・衛生工学 1979 53 (7) p617-622.
2) W. I. Moese and J. S. Soeldner. The Non-adipose Body Mass of Obese Women : Evidence of Increased Muscularity : Canadian Medical Association Journal 1964 90 (12) p723-725.

細胞と脱水には密接な関係があります。脱水状態になると、血管内の水分は減少しそれを補うため、細胞内から水分が血管内に移動します。しかし筋肉量の減少が大きいと、全身の水分の予備能力が低下し、脱水症への進行を速め、重篤化にもつながると考えられます。

また、太い筋肉と比較して、痩せた筋肉は水分貯蔵量が少なくなるだけでなく、静脈を通じて心臓に戻る血液の勢い(筋ポンプ作用)が弱くなり特に脚の浮腫みの原因になります。末梢の循環機能が低下すると身体の冷却機能の低下にも繋がるため、熱中症リスクも増します。脚がむくみやすい人は、脱水症・熱中症になるリスクが上昇している状態と考えられます。

自粛期間のように、活動自体が少ない期間が長いと、筋力の低下は知らず知らずに進むことになります。この一年、ほとんど運動をせず体重が増えている人は、水分の貯蔵庫である筋肉の量が減って、水分をあまり含まない脂肪が増えた状態になっているかもしれません。日常のアクティビティが低下しているのに体重が変わらない人は筋肉量が減少した一方で脂肪をつけたのかもしれません。自粛以前の身体の脱水リスクと比較すれば、格段に脱水症・熱中症になりやすいのではないかと心配にならざるを得ません。

ロコモティブシンドロームを避けて、早めの、強めのエクササイズで暑熱馴化を!

更新日:2021/5/17

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