熱中症と脱水症状に専門家が発信する正しい情報を!隠れ脱水JOURNAL

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脱水症と熱中症からカラダを守る基本
「3、3、30」を習慣に

長い自粛生活は、広い世代において日常生活のアクティビティを減少させてきました。そのため、筋力および筋肉量の低下が、知らず知らずのうちに我々の体内を蝕(むしば)んでいるのでは? と考えられます。

結果として脂肪の蓄積により体重が増えた人が多いかもしれません。実は海外では巣(す)籠(ごもり)による体重増加を意味するQuarantine15(Quarantine(クアランティーン):防疫隔離)という新種のパンデミックが起こっているという報告があります。これは大学に入った新入生の体重が15ポンド (約6.8kg)増えるという Freshman15(Freshman(フレッシマン):新入生)のパロディです。巣籠で運動しなければ脂肪が増えて体重増加というのは想像できますね。

細胞が貯えている水分は、体内での脱水が始まるとそれを進行させないように働きます。細胞から脱水傾向である血管内へ水分の補填し、血液循環を保とうとします。

その結果、末梢血管の拡張や発汗の低下を阻み、身体の冷却機能を保持しようとします。一方で筋肉量が少なくなると、筋肉組織の水分貯蔵量が減少し、これらの機能にも低下を来し、急な脱水症そして熱中症への進行が懸念されます。

また、筋肉組織は水分貯蔵量がとても大きいですが、脂肪組織は水分貯蔵量がとても小さいので、筋肉の減少かつ脂肪の増加というのは脱水症のリスクの上昇につながると考えざるを得ません。

このままでは、梅雨前、初夏から急激に増える熱中症のリスクがいつも以上に増すことが危ぶまれます。熱中症には脱水症が潜んでいるのですから…。
今年は、春、早め、そして少し強めのエクササイズ(ラジオ体操等)で暑熱馴化を行い、暑さに負けない身体を作って、脱水症・熱中症リスクを軽減させましょう。

また、ロコモティブシンドロームの予防として、強度3メッツ以上の運動を30分間、週に2回程度行う運動習慣が推奨されています。週に2回というのを少しアレンジして、3日に1回とすれば、3メッツ、3日、30分と3が3つ並びます。まさに「サンミツ」です。是非、この運動のサンミツ:「3メッツ、3日に1回、30分」を習慣にしてください。

社会医療法人田北会 田北病院 整形外科

富和清訓(とみわ・きよのり)

1981年6月10日 奈良県生まれ。岩手医科大学 医学部医学科卒。日本整形外科学会・専門医 UCI・国際自転車競技連合エリートナショナルコミセール(国際審判員) UCIエリートナショナルコミセールは2016年に取得。この年、日本人が初めて5名合格した。月刊バイシクル21編集委員 著書「こちらドクターカー」(ライジング出版)

ロコモティブシンドロームを避けて、早めの、強めのエクササイズで暑熱馴化を!

更新日:2021/5/17

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