私たちは、感染性胃腸炎からくる脱水の危険性と、正しい対処法をお伝えします。

冬脱水SOS

かくれ脱水JOURNAL

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Q サッカー独自の熱中症対策ガイドラインをつくられた背景にはどんなことがあるのでしょうか?

加藤 サッカーでは、個人差はありますが、90分の試合を終えると、だいたい体重の2%〜3%の水分が失われるといわれています。ハーフタイムを含め試合途中に水分摂取を1L程度はしていると思われますが、それでもこれだけ水分を失うハードなスポーツです。

脱水すると持久力が急激に落ちます。脱水対策はサッカーにおいてはパフォーマンス維持を求めるためにもっとも大切なこと。ましてや、暑い夏に行う場合は、脱水症が熱中症につながっていく可能性が大きいことから、幅広い世代で熱中症を防ぐための指導が必要となっていました。
また、サッカーでは、トップチームだけじゃなく、育成世代やユース世代も国際サッカー大会がたくさんあり、海外から多くのチームが日本に来ます。その海外のチームを日本の真夏のサッカー大会に迎えるにあたり、「日本の暑い環境でのサッカー大会開催にあたり、熱中症対策を考慮した大会開催規定を整備する」必要がありました。そこで、日本サッカー協会は、日本や海外のすべてのサッカー選手を熱中症から守るために、十分な熱中症対策に本腰をいれて乗り出しました。

この日本サッカー協会の取り組みは、FIFA(国際サッカー連盟)が、暑熱環境下(WBGT32℃以上)でCooling Break(日本ではウォーターブレイクとクーリングブレイクと分けて展開している)の導入を提唱したことから始まっています。ワールドカップという最高峰の大会の試合で、このCooling Breakを取り入れたことで有名になりました。このCooling Break導入は、死に至る可能性のある熱中症予防となるだけでなく、サッカーの試合が暑さの我慢比べとならないこと、つまり、暑さに強い選手がいるチームよりサッカーの上手なチームが大会で勝利する環境を構築することが、日本のサッカー選手強化という観点からも意味があることだと考えています。このCooling Breakは、単に水分を補給する飲水タイムではなくて、身体を冷やすという意味でのCooling Breakです。WBGTが高いときには、積極的に身体を冷却しないと水分補給だけでは体温が下がりにくい環境となるため、Cooling Breakが大きな意味を持つことになります。もちろん、体温が上昇したままだと著しくパフォーマンスが低下してしまいます。

運動を続けるために、いかに上がった体温を下げる手段が大事になります。その手段としては、水分補給を行って脱水症を防ぐことが一番の大きな柱となります。それがパフォーマンス維持に役立つし、夏などは熱中症による事故も防ぐことにつながると考えています。

[Cooling Break] (熱中症ガイドラインより、熱中症対策部分のみ抜粋)

前後半 1回ずつ、それぞれの半分の時間が経過した頃に3分間の[Cooling Break]を設定し、選手と審判員は以下の行動をとる。

  • 1. 日陰にあるベンチに入り、休む。

  • 2. 氷・アイスパック等でカラダ(頸部・脇下・鼠径部)を冷やし、必要に応じて着替えをする。
  • 3. 水だけでなくスポーツドリンク等を飲む。

<留意点>

  • ・原則として試合の流れの中で両チームに有利・不利が生じないようなアウトオブプレーの時に、 主審が判断して設定する。
  • ・戦術的な指示も許容する。
  • ・チームが、カラダを冷やすための器具を持ち込む際は、事前に大会運営責任者の了解を得る。
  • ・審判員は[Cooling Break]の時間を遵守するため、試合再開時には選手に速やかにポジションに戻るように促すと同時に、出場選手の確認を行う。
  • ・サブメンバーは出場メンバーとの識別のため必ずビブスを着用する。運営担当者は試合再開時に出場メンバーの確認について審判員をサポートする。
  • ・[Cooling Break]に要した時間は「その他の理由」によって費やされた時間として前後半それぞれの時間に追加される。
  • ・[Cooling Break]を設定する場合は試合前またはハーフタイム時のロッカーアウトまでに両チームに伝達する。また、WBGT 値に応じて、前半と後半の対応が異なる場合がある。

Q 日本サッカー協会が詳細なガイドラインを公開し、すぐに全国へ浸透していったのはどうしてでしょう?

更新日:2019/07/05

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